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そんな声が響いた中で、海がこちらに押し寄せるような音が耳に入ってくる。日差しがギンギンに照りつける中、シャオロンさんは未だに微笑んだままである。
ジリジリと暑く、変なことを言っただろうかと心配になった私は俯きそうになってしまう。
sho「…そか、その言葉に悔いはないな?」
『はい』
sho「嘘でもないんやな?」
『…はいっ。』
sho「はは、いい返事や。Aなりの自由、これから見つけていこうぜ。」
拳を差し出されたので、私も拳で返したらコツンとお互い合わせる。
シャオロンさんはもう一度砂浜に座ったかと思えば、隣をぽんぽんと叩いてきたのですとん、と腰を下ろす。季節関係無く暑いが、何となく夏の砂浜はいつも以上に熱く感じてしまった。
シャオロンさんが私の足元を見たら、少し目を見開いた後にくすくすと笑われてしまう。
sho「なんで裸足なん?」
『あ、いやその…っ』
sho「あわてんぼうさん。…せや、さっき敬語外しとったしこの際タメ口で行こうや。それと呼び捨てで。」
『あれはちょっとした勢いで…!』
sho「ええから。」
『しゃ、おろん、……………さん』
sho「はいだめ、もっかい!」
何だこの地獄…!!!
よく分からない胸の効果音を聞きながら何度も呼び捨ての練習をして、やっとシャオロンと呼べるようになった。
目の前のシャオロンはなんだか満足気で、未だに鼻歌を歌っている。敬語、上手く外せるかな…未だにハラハラとしつつも潮の匂いで心を落ち着かせた。
sho「…自由なぁ。A、お前次仕事休みいつなん?」
『あー…来週の木曜日、かな。』
sho「よっしゃ、じゃあ中央地方に行かへん?」
『…へ?』
中央地方ってあの?もう一度聞いてみたら、首を縦に振ったシャオロン。急な提案に私の脳は混乱を始める。
まだ1回しか言ったのとのない中央地方、しかも言ったのなんて幼少期だ。もう街並みもよくは覚えてない。どんどん膨らむ思想の中、シャオロンはそんな私を見ていた。
sho「一日で帰って来るし、俺らの海賊船に乗せたる。多分ゾムとコネシマも了承してくれるやろ。…どうや?」
『でも目的があるから行くんでしょ?いいの?』
sho「何、帰り際にちーっと悪いこと仕出かすだけやって。Aを巻き込む気はないから安心せぇや。」
頭をゆっくりと撫でられて、今度は私が首を縦に振る。
嗚呼、どうしよう。
胸の高まりが、治まりそうにない。
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テスト期間入ります。更新不定期です、すみません
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四ツ谷抹茶(プロフ) - Alexさん» ありがとうございます…!!!そう言って頂けて光栄です、どうぞこれからも応援よろしくお願いします…! (2019年7月16日 19時) (レス) id: 2106793cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - とても面白かったです!応援してます! (2019年7月16日 13時) (レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - かなさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました!最高言っていただけるような作品を届けることができてとっても嬉しいです…!応援まで…本当に感謝しかありません、次回作も期待して待っていただけたら有難い限りです、よろしくお願いします!! (2019年7月15日 23時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
かな - 初見失礼します!本当に最高でした!もう最後のut先生の所は恥ずかしながら泣いてしまいましたw次は脅威の作品を見ようと思います!そしてこんな中学生の拙い文章を読んで頂けると嬉しいです。貴方様をずっと応援させていただきます! (2019年7月15日 23時) (レス) id: 2f3992ceb8 (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - 理香さん» コメントありがとうございます!今回の小説は憧憬というキーワードを意識して書いていたのでそういう感想を聞けて私も嬉しいです…!これからの航海もいいものであるといいなと私も思います…ここまでの応援、感謝です!次回作もよろしくお願いします!! (2019年7月15日 19時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
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