バレーボールから逃げきれない。【影山飛雄】

不穏な空気 ページ40

合宿２日目


7月8日、日曜日




『(明日普通に学校かー…きつ…)』




だんだん暑くなっているこの季節


じわじわ流れる汗が鬱陶しかった



今は音駒VS烏野



私も烏野高校のマネージャーだし
みんなのことが好きだから

心のなかで烏野を応援していた




でも




『音駒めっちゃ拾うな…』




この合宿ではやくも突きつけられている、烏野の弱さ


他校との差は歴然だった


まあ梟谷ってすごいとこだし
そこに属してる学校もすごいのは当然だよなあ




『(それにしても…)』


日向「…！」




なんか、日向が変だ

いつも変だけど。


止められてばかりなのに

なんだろ…わくわくしてる


最初からそうだったような気もするけど。




「旭さん！」

「レフトレフト！」




体育館にそんな声が響き渡って
旭さんがボールを打つ雰囲気になる


だけど




『…えっ』




ドッ…！




そんな音と一緒に日向がふっとんだ




旭さんと衝突したのだ




『日向…！』




烏野のコート内のみんなが駆け寄る


私も肝が冷えたけど
どうやらなんともないようだった






何とも…ないよね？









日向「なぁ影山」


影山「あ？」


日向「ぎゅん！の方の速攻

おれ、目え瞑んのやめる」









これが、不穏な空気の始まりだった

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