【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ9)

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第54話・「思いついた定義」ページ9

案の定、ベッドは１つしかなかった。
しかもご丁寧にキングサイズの物。

俺らに並んで寝ろって言うのか？
誰だこの部屋設定した奴。

……あぁ、団長さんか。
なら文句言えないな。

「……寝ろ。俺はソファーに寝る」
「は？気ィ使うなよ」

嘘だろ、こいつに思いやりなんてあったか？
たった一日見て来た偏見で人を見るのは気が引けるが、こいつはそういう男だ。

……裏がありそうで気味悪ぃな。

「遠慮するな、さっさとベッドに沈め」
「なんでだよ、なんか目的があんのか？」
「……違う。いいからさっさと寝ろ」
「……んだよ。
女だからって気ィ使ってんならやめろ。
床で寝てやる」
「……は？身体冷やしたらどーすんだ」
「だからそーゆーのをやめろっつってんだよ」

俺はベッドから一枚毛布を剥ぎ取り、床に座った。
少し硬いが、問題ない。

リヴァイは俺を睨み、舌打ちをした。
悪いがそんな脅し効かない。

無視して床に身を任せる。

するとリヴァイが痺れを切らしたかのように毛布をひったくった。

「！ちょっ、おい！！何すんだ！」

「いいから！！
さっさと！！ベッドに！！寝ろ！！
おそわれてぇのかテメェは！！！」

「……ホントどうしたお前」

大声で叫んだ後、リヴァイは息を整えてから言った。

「俺も一応は男だ。
……男と女が一緒にベッドなんざ入ったら……どうなるかわかるだろォが……」
「は？いやだから、どうしたお前……」

ーガシッ

いきなり首根っこを掴まれた。
その体制から恐ろしい腕力でベッドに投げられる。
待て、俺怪我人。

「ってェ…お前、マジでおかしいぞ」
「フン……」

剥ぎ取った毛布を俺に投げてよこしてから、いつものポーカーフェイスに戻るリヴァイ。

驚異的な力で投げられたにも関わらず、俺に痛みは無い。
それどころか頭はしっかり枕に向いていて、身体を倒せば寝られる体制だ。無駄に凄いと思う。

「おかしいと思うのは勝手だが……俺も男だ。
我慢できねぇ時もある。
お前も恥じらいを持て。一応女だろ、A」
「お前に言われたくないんだけどなー。
このセクハラ野郎。さっきまでみてぇにセクハラはしねぇのか？」
「して欲しいなら問題ないな」
「欲しくねぇよ」
「なら寝ろ、馬鹿A」

フイッと素っ気なく振り返り、リヴァイはソファーに向かった。

……なんだよ、あいつ。
我慢とか一番縁の無い言葉だろ。

少し考えながら俺は目を閉じる。
寝るまでに１つの定義が浮かんだ。

まさか……俺が嫌がると思ったのか？