【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ8)

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第53話・「アニへ、贈ります」ページ8

言うだけ言って、リヴァイは風呂に入った。
こっちもやり始めるかな。

テーブルの上に目をやり、例の道具が入った袋へ手を伸ばす。
ついでに、この前アニと選んだ宝石も。

さあ、始めようか。

作るのはペンダント形のロケット。
中に何を入れるかは、まだ決まっていない。
デザインならとっくに描き終わっているが。

俺は薄い鉄板に鑿を入れていく。
自画自賛のようだが、この作業工程を進める時、手元が狂ったことは一度もない。
今回も大丈夫だろう。

チッ、チッ、と、時計の針が動く。

それ以外に聞こえるのは、カリカリという鑿の音だけ。
幸いリヴァイもまだ出てこないし。

早くて今日の夜には終わるかな。

チク、タク、チク、タク。

軽快に鳴る時計の音と共に、俺は歓声をあげた。

「できたぁッ！！」

いつもより、金属光沢が美しい。
材料が材料なだけあるのかもしれないが、プレゼントとして渡すには申し分無い物だ。

あとは宝石をはめて終わり……。

「さっきから一体なんだ」
「うぉお！？」

後ろから首筋に息がかかった。
風呂上がりだからか、温かい。
いや、生温かい……。

「気付かなかったのか？
そんなに集中してるとはな……」
「……るっせぇな、別にいいだろ？
眠りを妨げたわけでもねぇし」

リヴァイは黙って俺の髪の毛をいじっている。
銀髪が珍しいのか？
駐屯兵団にもいたぞ。あのメガネの……。

ようやくリヴァイが口を開く。

「レオンハートへの贈り物らしいな……。
名前が掘ってある」
「いいだろ別に……」

「……なんだろうな」
「ぁあ？何がだ」

「レオンハートには、何かある気がする」

その場の空気が一瞬にして固まるのを感じた。

アニが、なんだって……？
何も知らないくせに、知ったような口聞いて。

アニに秘密なんてあるわけない。

グルグルと思考が廻る。

怒鳴りたくなったが、やめた。
タチの悪い冗談だろ。

「……それが男の勘なら、当たんねぇな」
「単に思っただけだ。気にするな」
「気にしてねぇよ、バーカ。
そんなん間に受けてたらメンタルもたねぇだろ、お前の前じゃ」

急に変なこと言い出すなよな。
びっくりすんだろ。

そう思ってはいても、顔は強張っていた。
馬鹿、ビビりすぎだよ、俺。

「さぁ、寝るぞ。それが終わるまで、随分待った」
「それはそれは、待っていただき光栄ですよ」

欠伸をしながら、ベッドに向かう。
あれ、そう言えばこの部屋って……。

「ベッド、１つだったような……」