【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ30)

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第69・「ソトノセカイ」ページ30

馬は列を崩すことなく、街を駆けて行く。
ボロボロになった建物の中に、かつて自分が住んでいた家を探すが、当然見つからない。
畜生、しくじった。金目の物は持ってくるんだった。

一体の巨人が走ってきた。その表情は怒号に満ちている。
おいおい、怒りたいのはこっちだよ。

「左前方！10m級接近！！そのお腹に何が入っているのか非常に気になりますが、前護班に任せます！」

ああ、人だろうな。普通に考えて。
ハンジは相も変わらず奇行種全開のようだ。
俺としてはお前の脳内のが気になるよ、ハンジ。

前護班の奴らが巨人に襲い掛かる、が、大半が殺されて行く。
そいつらの悲鳴をBGMに誰かが叫んだ。

「進めぇぇぇえ！！！！」

焦りを隠しているのか、同期の話し声も聞こえた。

そう言えば、今回の壁外調査はいつもよりかなり短いらしい。
あまり聞いてなかったが、エレンをシガンシナの家に送るための試運転らしい。
そこに人類が巨人に勝つための鍵があるとか。
試運転の意味はないと考える者も、少なからずいるらしいが。
そのために俺達の配置は、極めて安全なところにされている。スリルが無くてつまらんな、まったく。

旧市街地を抜けた。
ここからはもう、前護班は守ってくれないらしい。
てか人類最強働けよ。巨人削げよ。何守られてんんだよ。
＿＿＿パァン！

「！」

赤い信煙弾が空に花を咲かせる。
巨人が現れた様だ。幸い、通常種だが。

「……来るみたいですよ、兵長さん」
「ああ……」

リヴァイは俺の言葉に頷きつつ、信煙弾を空に放った。
おそらく、今は陣形が乱れている。新兵もいるしな。
しばらくすれば、陣形も整うだろう。通常種ならすぐに倒せるだろうし。

＿＿＿＿＿＿

一体どうなってんだ……。
さっきから信煙弾の嵐じゃねぇか……。
そのくせ俺らのいる場所だけは巨人の気配がない。

「……お前の班入るんじゃなかったなぁ。暇で仕方ない」
「、お前な……。いや、なんでもない。死ね。死んどけ」
「は？このくそ野郎が。くたばれ。
巨人の皆さぁん！！ここです！！ここにいますよ！！煮干サイズの人類最強が！！！」
「おい、巨人の野郎共、ここに油分・脂肪分一冬越すとしても申し分ないどうしようもない阿呆がいるぞ。食うなら食え。一口サイズに削いでやるからよ」
「ふッ二人共！！！落ち着いてください！！！」
「黙れエレン。これは俺とこのチビの戦いだ」
「お前が黙りやがれ。この脂肪分」
「は？黙れ。50kg台なめんな」