【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ23)

今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:13,486 hit

番外編・「悪徳商法」ページ23

「っ出来た！！！」

何気に広い部屋の中で、俺は一人声を弾ませた。
やっとペンダントが完成した、つてことだ。

昨日アニのとこに行ってから、速攻で宝石を嵌めた。
一応昨日ペンダントトップを作る工程は終わらせたのだが、肝心のチェーンを付けるリングを忘れていた。
今更作った物をいじってリングの穴を開けるのも美しくない。

と、いうことで、溶接を行った。
俺はこの作業大嫌いだ。
なのにわざわざ親父の店まで行って窯を貸して貰っているのだ。

一枚の戸の先にいる親父は、たまに客に凄みを掛けている。
自営業でしかも人徳があるから、相手が貴族であろうとあまり気にしないのだろう。
剣術や武術の心得もあるらしい。

「この宝石は相当な値打ちがあるんだよ、旦那。
俺が自分の手で採ってきて加工したもんだ……。

……実はな、旦那？
近々内地も内地、王都の中心で、これとおんなじ代物を扱うオークションがあるらしい。

恐らく調査兵団の馬が5頭は買えるだろうな……。
なんせ買手は中央貴族様方だ。

いやぁ、旦那はラッキーだ！
こんな辺鄙な店でこんな高価な宝石買えるなんて！！
……買うよな？あ？」

……聞いて呆れる。
それ俺が森に夕食のキノコ採りに行った時拾ったやつだろが。
確かに加工は親父がしたが、だからって大した値のもんじゃねぇよ。

やっと出来たペンダントを柔らかな布で丁寧に拭きながら俺は会話に耳を済ませた。

「……そう、なのかぇ？
おんし嘘を吐いているのでゎあるまぃなぁ？」

え、客の喋り方キモイ。
貴族はみんなキモイのか、そうかそうか。

一人納得して、俺は繋げたチェーンを指に掛けた。
強度は大丈夫だろう。
多分並の訓練なんかじゃびくともしない。
ここだけの話、このチェーンは少し黒金竹の刃を拝借したものだ。
つまり、兵団のブレードと同じ硬さ。
まあ目的はチェーンだから大した量ではないのだが。

「嘘だって？ハハッ、旦那も意地が悪い！
こんなに臆病者の老いぼれが、貴族の旦那に嘘吐けるわけねぇよぉ！」
「そ、それもそぅなのだがぁ……」
「な！？俺を信じろ！！」
「ぅむぅ……」

なんて不毛な戦いなんだ、貴族の旦那よ。
親父はカウンターから出るつもりないからさっさと逃げだした方が吉なのに。
プライドを守りたいならオススメはしないが。

「ぅ、ぅむむむぅ……！！ゎかったぁ！
ゎしも貴族じゃぁ！買うてやるぅ！！」
「毎度～♪」

客が折れた。

……そーいや何度目だ。
ここに来てこーゆー会話聞くの。