【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ3)

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第48話・「利用するなら」ページ3

「作戦立案は俺の担当じゃない。
だが、エルヴィンのことだ。俺達よりずっと多くのことを考えているだろう」
「確かに、これまでと状況が異なりますからね。
多大な犠牲を祓って進めてきたマリア奪還ルートが、一瞬で白紙になったかと思えば突然全く別の希望が降って沸いた……」

視線が俺とエレンに集まり、俺達の間に束の間の沈黙が張り詰めた。

……振られることはなかったが、これ俺喋らないとマズくね？……しょうがない……。

張り詰めた沈黙の糸を破る為、俺は口を開く。

「希望と言えども、俺はともかく、エレンの能力は不完全だろう？
希望に喜ぶんじゃなくて、どう利用するかを考えるのがまず先だろ。

……あの書類も、あながち間違ってはねぇな。

計り知れない能力だからこそ、暴走した時の損害も酷いだろ」

いつにも増して後ろ向きだな、俺は。
神経質すぎる。

だが、ここで希望を持たせたからと言って、それはただの安寧にしかならない。
ならばいっそのこと脅して気を張らせた方がいいだろ。

各々の顔からサーッと血の気が引いていった。

「……それも一理あるな。
だがA、お前が言ったところで、憲兵様方はそんな考え、微塵も持っちゃいねぇ……。

……レオンハートは、憲兵志望だったか。
上に人質扱いされるのは、免れねぇだろう」

リヴァイの顔は暗い。

アニのことを言う時、一瞬だが躊躇った。
俺を心配してか、はたまた名前が思い出せなかっただけか。

そんなことはわからないが、こいつがこいつなりの考えを持っていることは明らかだ。

俺は足を組み直し、しっかりと奴の顔を見据えた。

「そんなこと、したらどうなるかってことぐらい、あっちも承知してんだろ。
まだ俺こ能力は未知数だ。
時を止めるだけってのが能力じゃないかもしんねぇしな」

今まで黙って聞いていたエレンは、唇を噛み、テーブルを見つめ俯いた。

「ー……未だに信じられないんだが……、巨人になるってのと、時を止めるってのはどういうことなんだ……？」

エレンはやっとテーブルから顔を上げると、少し間を置いてから話しだす。
躊躇いがちな口ぶりだが、何を言いたいかだけははっきりしていた。

「その時の記憶は……定かではないんですが……、とにかく無我夢中で……。
っでも切っ掛けになるのは自傷行為です！
こうやって手を……ー」

エレンは自らの手を噛む仕草をし、止まった。
何か、思うところがあるのだろうか。

まあいい、今のうちに俺も話させて貰うぞ。