【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ20)

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第65話・「リフレイン」ページ20

いいんだ、もう。過去のことは。
あの辛い出来事も、あの日からの蟠も、アニといれば自然となくなっていく。

だったらここから、再スタートをかましてもバチは当たらないんじゃないか？

きっと、大丈夫。アニと一緒なら。
どんな辛いことがあろうとも……＿＿＿＿

"姉貴"

幼い少年の声が、頭の中に木霊した。

"逃げんなよ、姉貴"

……うるさい、逃げてなんかねぇよ。
幸せになろうとして、何が悪い。

"ただ、過去から逃げてるだけだろ？"

いいだろ、逃げても。
もう、ビクビクしたくないんだ。
あんな悲惨な現実を、受け入れたくなんかないんだよ。

"それが、親父とお袋の望んだ答えじゃないとしても？"

ああ、そうだ。
……好い加減にしろよ、なあ、お前、誰なんだ。
やっと落ち着いてきたのに、また俺を嫌悪に突き落とすつもりか。

"……もう、俺の声は聞こえないみたいだな、姉貴"

誰なんだよ、お前は。姉貴なんて呼ぶな。

呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな

＿＿なぁ！！！頼むからッ……！！！

「……そんな風に、俺を呼ばないでくれ……！！」
「！？A！？」

アニが後ずさり、俺は正気に戻った。

「……あ、ああ……ごめん、昔の、記憶、が」

俺をいましめる、弟の声が。

「まだ少し、家族とか親友とか言う言葉に抵抗があるんだ。
大事な誰かを傷つけるのが怖くて……」
「……私が弱いとでも言いたいのかい？A」
「弱いんだったら、話はもっと簡単だったかもなぁ……。
ただがむしゃらに守り続ければいいんだから」
「強いからこそ、ってやつだね」
「そゆこと」

話を逸らし、話題を変えた。

確かにアニは強い。
俺の親も強かった。
でも、両親は強すぎるが為に殺された。
醜く肥大した豚に。

アニには危ういところがしばしばある。
実は寝起きが悪いとか、そういうことじゃなくて、目の前の危険にしか目を向けないところだ。
だから俺になんかあったら、何をするか分かったもんじゃない。
そういうところは単純だ。
その単純さに、あいつらは漬け込んでくるから。

「なってもいいけど、俺に暴走するつもりはないから」
「なんだ、願ったり叶ったりじゃないか」

"封印が解けるまで……あと……"