【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ15)

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第60話・「被験体と奇行種」ページ15

根が変態奇行種野郎だとしても、ハンジが女だと言う事実は揺るぎない。
女が泣いてるのは、見るに絶えないから。

昔、弟に差し伸べた声のように、できる限り優しく、接したつもりだ。

「んな泣くことでもねぇだろ……？

退屈な講義中に小耳に挟んだことだが……お前の巨人捕獲作戦は非常に現実的なものだったらしい。
犠牲が1人もでなかったんだろ？素晴らしいじゃねぇか。
俺も手伝ってやるから、また違う巨人でも捕まえよう」

ハンジは涙の溜まった目を見開きながら、言った。

「……そ、そぅか……な。
つっ次の壁外調査でも捕獲できるかな！？
ソニーとビーンに負けないぐらいかわいい子達を！！」
「え？あ、うん、できる……と思うヨ？」

立ち直りが早かった。
もっとしおらしいと思ってたんだが……。
うん、ハンジはハンジだ。

「そ、そうと決まったら……モブリット！！」
「はっ！」
「倉庫の備品を確認して来い！！
巨人の捕獲に使ったやつだ！！」
「はぁ！？あんたまだ懲りないつもりですか！？」
「Aもいいと言ってくれたんだ！！
リヴァイもうんと言わざるを得ないだろ！？
つ、ま、り！だ！よっぽどのことがない限り次の壁外調査では巨人の捕獲が実施できる！！
やったぁぁぁあ！！！」

チラリとモブリットにこちらを見られる。
ごめん、悪気はなかった。

「ハァ……」

盛大な溜息をつくと、モブリットは倉庫へ走っていった。
それを見るなり、ハンジはメガネを押し上げ、すっと立ち上がった。
その目にはいつもの変態ぶりが現れている。

「ありがとう！A！！」

呆れたように笑うと、ハンジは歯をみせて笑った。
まったく、世話の焼ける。

つーか、調査兵団がここに来た理由はなんなんだ？
後は憲兵に任せればいいだろ？

「A、行くぞ……、後は憲兵団の仕事だ」
「ああ……ッチ、とんだ無駄骨だったな」

小さくぼやくと、ペトラは言った。

「ハンジ分隊長の奇行振りは毎度のことだからね……。
それにしても、Aさんには弟か妹がいたの？宥めるのが凄く早かったから……」
「！あ、ああ、弟が、いた、よ」

少しだけ挙動不審になってしまったのを察してか、ペトラはもう聞かなかった。

元の魂胆が解決しても、周りが解決しないことは多い。
今回の場合も、犯人探しは終わらないだろう。
ここまで来たのに、アニには会えないのか……。
あと２kmぐらい行けば訓練兵団基地につくのに……。

「結局、会えず仕舞いか……」