【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ14)

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第59話・「予定変更」ページ14

結局、今日の予定はパァだ。

俺はペンダントに仕上げをする間もなく、馬に乗った。
朝飯だけはちゃんと摂り、着替える暇は無いからローブだけ羽織った。

「ッチ……。
面倒事ばっか起こしやがって……。
行くぞ」

「「「「はいッ！！、」」」」

帰りに寄って行こう、とも思ったが、訓練兵団も罪に問われているだろう。
どちらにしろ、アニには会えない。

「手紙でも書いて……宿舎に置いとくか？」

駄目だな、監視が厳しくなっているはずだ。
忍び込んだりなんてしたら、明らかに犯人候補に上がるだろう。

溜息が出る。

ここのところ不穏な事件が続いている。
このまま行くと、壁外調査じゃもっと大変なことになりそうだな……。

気が重くなる。
いや、出ることには出るんだけれども。

馬の腹に鞭を打ち、疾走速度を加速させる。

「……おい、俺を抜くんじゃねぇ」
「悪いけど先行かせて貰うよ。
なんかお前に着いてくってのが気に食わねぇ」
「自分勝手な行動をするな」
「だって機嫌が悪いんだモン」
「モンとかキモい」

キモい言うなよ。
地味に傷付くだろぉが。

……ま、確かにキモいか。

リヴァイを睨んでから、更に馬を走らせる。
目的は特に無い。ただ、何となくだ。

「……」

黙り込むリヴァイを横目で見ながら森を走り続けると、急に道が開けた。

どうやら、街に着いた模様。

少し馬の速度を緩めると、瞬時にリヴァイの馬が脇を駆けてゆく。

「これから先は、道が入り組んでいる。
俺が先頭だ」
「……わーったよ」

実は俺も、実験施設の場所は知らない。
行くにも道を知らなきゃ意味ないか。

つーか本当はサボろうとしてたんだが……。

「サボりは禁物だ」
「！」

ビクリと身が竦んだ。
人の心読むなよ、馬鹿野郎。

……入り組んだ道の先に、その場所はあった。
第一声に聞こえてきたのは、聞き覚えのある声。

「ソニィィィイ！！！ビィィィィイン！！！
っああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！」

ハンジ分隊長の号哭だった。
それはまるで、己の肉親が死んだかのような号哭。
痛いほどに胸が締め付けられた。

昔の、俺と同じこと、を……＿＿

「見ろよ、ハンジ分隊長がご乱心だ」

ボソボソと野次馬から声が聞こえる。
お前ら駄馬に何がわかる。
こんな悲しみ、体感してみろ。
頭が可笑しくなる。

号哭の対象はそれぞれ違うが、何やら親近感を覚えた俺は、ハンジの肩に手を置いた。

「……？」
「泣くなよ」