【Attack on titan】The military gains of the blood eyes girl―2― (ページ11)

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第56話・「朝の支度」ページ11

寝間着を脱ぎ、胸にグルグルとサラシを巻きつける。
これが案外苦しいんだが、潰さないことにはろくに運動もできないから仕方ない。
他の女子は偉大だと思う。

なんのこだわりも無く選んだシャツは、兵団の支給品。
訓練兵団で稼げる金なんて高が知れてるから、貴重な金で服なんて買うつもりもない。
支給品で足りてる。
サイズは少し大きいが、どうせ動くから気にもならない。

ズボンは支給品ではなく、アニが買ってきてくれた物。
最後までスカートと悩んだらしいが、結局は譲歩したらしい。
どうせはかないだろう、と。

革ジャンは自分で買った物だ。
冬に寒さが厳しくなり、出掛ける時に買った。
だが低コスト。セール品だ。
おかげで俺の貯金の残高は、一年遊んで暮らせるぐらいある。

まあ、服装についての余談は置いといて、早く支度してしまおう。

眠い眼を擦りながら、俺はシャツに腕を通す。
いつも通りのパリッとした感覚に、朝が来たことを感じた。

さっさとズボン、革ジャンを身につけ、俺は部屋のドアを開けた。

「女の支度は時間がかかると聞いたが……どうやらお前には当てはまらねぇようだな」
「迷信だろ、それ。
アニもミカサもユミルもサシャも早かったぞ。
あ、ミーナとハンナとクリスタは遅かったか」
「単にお前らが普通じゃないだけだろ」

考えてみると、104期は女子力に欠けてるな。
全体的に。

「お前に可愛げがないのはよくわかった。
行くぞ、食堂」
「……可愛げなくて悪かったな」

リヴァイは返事もせずに、淡々と廊下を歩き始めた。

少し進んだところで、朝食の匂いが鼻腔をくすぐる。
いい匂いだが、味に期待はしないでおこう。
食料状況は、訓練兵団と変わらないだろうから。

「お早う御座います！兵長！」
「ああ」

ドアを開けると、ペトラがエプロン姿で待っていた。

テーブルにはまだ湯気の立つ料理……。
前言撤回する、なかなか旨そうだ。

「兵長、今日は遅かったですね」

エルドがスープを皿によそりながら言う。
リヴァイはチラっと視線をそっちにやると、俺を指差した。

「こいつの失態だ」
「聞こえ悪いこと言うな」

起床時刻なんて聞いてねぇし。
わかってたら起きたよ。
つーか別に俺は今日リヴァイ班として活動しないんだからいいだろ。

リヴァイの言葉に、オルオは過剰に反応した。

「おい、お前！兵長の手を煩わせるな！！」
「はぁ？誰も頼んでねぇし」
「いい、オルオ。俺が進んでやったことだ」
「しかし……！」
「大丈夫だ」