恋の始まり:KA ページ32
カ「恋の始まりは晴れたり曇ったりの4月のようだ...」
シェイクスピアの名言のひとつを口に出したくなったのは、つい先程彼女にフラれたからだ。そんな時ミノに誘われ初めてバーに飲みに行った。
ミ「まぁ、飲みなよ笑」
カ「私の時間作ってくんないじゃんって...付き合う時にそう言ってたし...」
ミ「ははっ、YouTuberはそれが前提だもんなぁ笑」
そんな時隣に腰掛けた女の子2人組。片方はボロボロ泣いてて、もう1人が必死に慰めてる。
「ほんとに好きだったのにぃ〜!」
『あーはいはい...飲みすぎないでよ?』
ミ「ほら、ちょうど失恋女子が笑」
カ「馬鹿、声がでかい...」
失恋した女の子がダラダラと元彼の好きな所を零してる中、静かに聞いていたと思えばもう1人の女の子は何を思ったのか泣いている子にビンタをぶちかました。
「痛いじゃん!!」
『てめぇが男見る目無いだけだろうがよ!ち〇カスみたいな男の為に泣くな!身体の水分勿体ねぇだろ!』
「...あーーーん!!Aかっこいいよぉ!!結婚してぇ!!」
『馬鹿、女は対象外だわ。』
あまりにもかっこいいAと呼ばれた彼女の発言に、つい俺らが吹き出すと隣から舌打ちが聞こえてくる。
ミ「ごめんなさい、面白くってつい笑」
『盗み聞きとか悪趣味。1杯奢って。』
ミ「勿論ですとも笑」
さっきまで泣いてた女の子はすぐに立ち上がってミノの隣に座りに行った。切り替えすご...
「お仕事なにやってるんですかぁ?」
『すぐに次の男行くんかい』
ぼそっとそう呟いた彼女から目が離せなくてじっと見つめると、彼女は鼻で笑った。
『なんでそんなに辛気臭い顔してるの?笑』
カ「彼女にフラれたんだよねぇ...」
初対面の女性にタメ口なんて初めてだけど、もう会うことも無いだろうし。
『なんてフラれたの?』
カ「なんで私の時間作ってくれないの?って。」
『ふぅん...』
彼女のグラスからカランと氷の溶ける音が響いた。
『おにーさん、彼女のことそんな好きじゃないでしょ?笑』
カ「好きだったよ」
『彼女の好きなご飯は?』
カ「知らない」
『彼女の好きな音楽は?』
カ「知らない」
『ほんとに好きなら脇目も降らず時間作ってるよ。所詮その程度にしか興味の湧かない女だったんでしょ?次行きなよ。』
カ「じゃあAさんの好きなご飯教えてよ」
『まぁ、失恋したての辛気臭いイケメンかな〜』
恋の始まりは晴れたり曇ったりの4月のようだ。
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ぴあ(プロフ) - 海月さん» いつもありがとう海月 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - Lizさん» ありがとうございます!読み返して頂けるのは本当に作者としてありがたい限りです。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 時雨さん» 占ツクでもTwitterでもありがとうございます。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 珊瑚樹茄子さん» いつもいつも心温まるコメントを頂けて本当に糧になりました。ありがとうございます! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2019年5月29日 13時