鬼と人の境界者

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鬼＆全side






何度も何度も僕のトモダチ達が奴に攻撃シテイク…のに




「何でッナンデ、殺せない！！！」




斬りかかるトモダチはどんどん地面にひれ伏せていった。





安心した顔で、嬉しそうな顔で。





「……何をシタンダ！？」








『大丈夫だぞ、今からお前にもしてやる』









『ーーーーーー』

その瞬間。





自分のいた場所は桜の木の下。


人間の姿だった。






「ーーさん？」


桜の模様の着物を着た可愛らしい女性がいた。






俺は何でここに？



ーーああ、そうだった。起きたらいなくなってたから探しに来たんだ。


「…っおこね、どこに居たんだ。ずっと探してたんだぞ」






彼女は呆れたように笑った。


「あなたをずっと待っていたんですよ？さぁ、早く家に帰りましょう」









帰り道で

「…おこね、昨日は長い嫌な夢を見たんだ。だから今日は側を離れないでおくれよ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





やはり父が鬼だからだろうか、俺は血鬼術が使える。






父は姿を消せる術が使えた。




俺も最初は自分の匂いを消したり、気配を隠したり出来たので父と同じ術が使えると思っていた。





でも俺の術は父とは全く別のものだった。









それに気づいたのは歳の近い女の子と遊んだ時だった。




俺自身の存在を消せたのだ。




彼女に触れても見たが彼女は俺を認識できなかった。








「存在を消す」＝死んでいることと同じ



どうしてこんな事が出来るようになったのかはわからない。





でもこれのお陰で自分自身を最小限に保ち、勘が鋭い奴にも鬼だと気づかれた事がない。






この術に名前をつけるなら、


壱の型(血鬼術)



『朧夢』

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