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なんでこいつらが揃いも揃ってこの家におんのか、なんで小島と佐野が真剣にゲームしてんのか、なんでそれ見て正門がソファで微笑ましそうに2人を見てんのか、なんでリチャと大晴がAと一緒にキッチンに立ってんのか。わからんことが多すぎて少し苛立つ俺を目の前に、俺にわからん会話を始めるAと正門に余計に腹が立つ。
『あのね、せっかくみんな東京におるんやし、ちょっと夜遅くなっちゃうけどみんなでクリスマスパーティしよってことになったんよ。この時間からお店とか行ってもすぐ出されちゃうし、ゆっくり出来ひんし、なにより目立っちゃうし。ほんならうちでやったらいいやんってなってね?』
「は?ほんでこいつらここおるん?」
「俺はてっきりAちゃんから聞いてるもんやと思てたんですけど」
『あたしも正門くんが言うてくれてると思ってた』
「Aちゃんもまっさんに負けへんぐらいぽややからな〜」
視線はテレビに向いたまま、ボソッと呟いた小島の頭をとりあえず叩いておいた。
「いたっ!なんで!?なんで俺今叩かれたん!?」
『こら。小島くんに当たったらあかんよ』
「そこにおる小島が悪い」
「完全に八つ当たりやん!?」
『言うの忘れててごめんね?せっかくのクリスマス、みんなで楽しみたかってんもん。機嫌直して?』
俺より少しだけ低い目線からこちらを見上げてこてんと首をかしげるAに絆されていく俺は、ほんまどこまでいってもこいつに甘いなと思う。その顔に弱いこと知っててやってくるAもAやけど。
「…今回だけやで」
『んふふ、ありがと』
「うわ〜、見てくださいよ。誠也くん、めっちゃニヤニヤした顔してる」
「ああいうの、締まりのない顔って言うんやで、晶哉。覚えときや」
「お前ら今すぐ追い出してもええんやぞ」
「よし晶哉、ゲームの続きしよか」
「次こそは負けないっすよ」
『あ、ケーキ、』
俺の手元に視線を合わせたAに言われて思い出した、2人で食べる為に買ってきたクリスマスケーキ。慌てて買ってきたことをこいつらに悟られた気がして少し恥ずかしくなった。
『んは、誠也くんも買ってきてくれたんや』
「も、ってなに?」
『ん?みんなも持ってきてくれたんよ、おっきいやつ。あたしも予約してたやつあったから今冷蔵庫の中ケーキの箱だらけ(笑)』
『見て見て』って俺の腕を引っ張ってAが冷蔵庫の扉を開けば、確かにそこはケーキの箱で埋め尽くされていた。
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てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、!外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てと | 作成日時:2022年10月22日 2時