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『のんすけ、照史くんと飲んでてね、酔い潰れちゃって迎えに行ったん。そんでおうち連れていこうと思ってんけど、明日の現場こっからの方が近いんやって。それで泊めてくれ〜って言うから』
「え、待って、お前泊まってくん？」
「お世話になりまーす」
「は？ていうか迎えに行ったって、何時？」
『……1時間前ぐらい？』
「は？さっきやん。なんでそんな遅い時間に出ていくねん」
『だって迎えに来いって言われたし。車やしいいかなって』
「あかんに決まってるやろ。お前なあ？そんな時間に女の子呼び出すなや」
「ちょ、やめて、Aのこと女の子とか言わんで。鳥肌立った」
ほら見て見てって鳥肌立った腕をこっちに見せてくるのんすけ。無邪気なのんすけとは正反対に更に機嫌が悪くなる誠也くん。当たり前のように女の子扱いされて不覚にもちょっとキュンとしちゃったあたし。
小瀧さん、もしかしてこの状況ちょっと楽しんでません？明らかに笑ってるよね？あと鳥肌立ってるのは服着てないせいもあるんちゃうかなあ？
『まあまあ、なんもなかったしいいやん？』
「なんかあったら困るから言うてるんやん」
「俺ほったらかしてイチャつくんやめてくれん？本気で見たないねんけど」
「次遅い時間に呼び出されても無視してええからな？」
『……ぜんしょしまーす』
「え、ひど、俺どうやって帰るん」
「タクシーでもなんでも捕まえて1人で自分ち帰れ」
「めっちゃ酷ない？お前の彼氏どうなってんの？」
『あんたの後輩やで』
「ていうかほんまに泊まるん？」
「え、泊まるよ？何を今更」
『そうやで？もう終電ないし無理やん？誠也くんもこんな時間から送っていくの嫌やろ？』
「いや、まあ、それはそうやけど。どこで寝るん」
『のんすけの部屋があるやん』
「あれ小瀧の部屋ちゃうねん。ゲストルームな」
なにを隠そう、ゲストルームがのんすけの部屋化してきてるのを一番よく思ってないのが誠也くんで。日常にいないはずののんすけ、というより他の男の影を感じてしまうのがどうにも嫌らしい。んー何回聞いても何言ってんのか良くわからん。だってのんすけはのんすけやし。浮気とかじゃないし。ていうか浮気とか絶対ありえへんし。心配性すぎんねんな〜、誠也くん。
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
