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手のかかる子供が離れている内に、パパっと晩ご飯を作ってしまおう。1時間ほど前に片付けた野菜たちを再び取り出し、予定よりだいぶ遅くなってしまった晩ご飯作りに取り掛かる。
散々飲んできてるけどのんすけも食べるんかな。んー、1人分増えたところで大して変わらんし、3人分作っちゃうか。余ったら明日に回せばいっか。
「あー、風呂入ったらさっぱりした」
『そりゃよかった』
お風呂で酔いも覚めたんか、喋り方も歩き方もだいぶしっかりしたのんすけが上裸で出てくる。
『あーもう！いくら夏とは言えエアコン付いてんねんから服着な風邪ひくやろ！髪もびしょびしょやし』
「A拭いて〜(笑)」
『拭かん！自分でやれ！』
だからこんなでっかい子供産んだ覚えないんよ。みんな望のこと甘やかしすぎやねん。これやからグループの最年少は。
そんなことを思いながらだいぶ高い位置にあるのんすけの髪の毛をわしゃわしゃと拭いてあげる優しいあたし。前言撤回。子供じゃなくてわんこやん、これ。しかも大型犬。
「めっちゃええ匂いするやん」
『誰かのせいで晩ご飯まだやったからね。のんすけも食べる？』
「えーどうしよ。めっちゃ食べてきてんけどちょっと食べたいかも」
『ほんなら髪乾かして服着てきて』
「はぁ、しゃあないなあ」
『なんであたしが悪いみたいになってんの？』
未だわしゃわしゃと頭を拭いてあげながら、なんとも理不尽な文句を言い放つのんすけが、髪を乾かしに脱衣所に戻ろうとすると、玄関の鍵がガシャンと開く音が聞こえた。
「え？、」
『あ、』
「Aー！ただいまー！おなかへった！晩ご飯なに！」
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
