アルストロメリア (ページ3)

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なんとか酔っ払いを助手席に乗せ、カーナビにのんすけの自宅までの住所を打ち込む。と、またもやだだをこね出すビッグベイビー。

「いややで！きょうはかえらんぞ！Aんちとまるからな！」

『はあ？何言うてんの？こっからやったらあんたんち行った方が近いやん！』

「あしたAんちからのほうがちかいねん！だからとまる！ぜったいとまる！」

『ええ……でもなあ……』

「なんや！あかんのか！なんかやましいことあんのか！」

『うーーーーん、』

別にのんすけがうちに泊まることに今更抵抗があるわけじゃない。今までお互いに何回も泊まってるし。でも今回はそうじゃなくて。
やましいっちゃやましいし、やましくないっちゃやましくないし。うーん、でもこうなったのんすけはもう言うこと聞かんしなあ。

『別にあたしはいいねんけどさあ、』

「ほんならいいやん！はい、しゅっぱーつ！」

『はぁ、どうなっても知らんで？』

大きなため息を吐きつつ、車をわが家の方向へと発信させた。

マンションに着いてからもなんやかんや駄々こねる酔っ払いを引っ張りながら、なんとか家の中まで連れてくることに成功。夜遅くてよかった。人の多い時間やったらご近所さんに変な目で見られるところやった。……マンションコンシェルジュのケビンにはまたやってんのかこいつらみたいな顔して笑われたけど。

『はぁ……、なんか、めっちゃつかれた、』

「Aー！おれふろはいるー！」

『あー、はいはい。着替えとタオルは出しとくからどうぞ』

帰宅早々お風呂場に直行したのんすけを見送り、ゲストルームのクローゼットに仕舞われたのんすけの着替えを用意して脱衣所に持っていく。
ゲストルームとは名ばかりで、この部屋を使ってる9割はのんすけ。いくらお互いに対して恋愛感情が皆無とは言え、さすがに同じベットで寝るのはあれやし。泊まる時は大体この部屋を使ってもらってるので、自然とのんすけの私物も増えていく。……まあ、それをあんまり良く思ってない人も若干1名いるけど。

まだだいぶ酔いが残ってそうでお風呂入れるのはちょっと怖いけど、鼻歌歌いながら楽しそうに入ってるし大丈夫やろ。あんまり長すぎるようやったら様子見に行こうかな。