アルストロメリア (ページ2)

今日:2 hit、昨日:191 hit、合計:254,610 hit

1.これが僕らの日常ページ2

.

1日の仕事が終わって帰宅後、晩ご飯でも作ろうかなって冷蔵庫とにらめっこしてると、近くに置いてたスマホの画面がラインの通知を告げた。

アイコンを見れば送り主は親友のビッグベイビー。メッセージは特に無くピンが刺されたマップが添付されただけ。
………これは迎えに来いってこと？今何時やと思ってんの？21時やけど？知ってる？

そんなことを言ってもあいつには通じないので、冷蔵庫から取り出した野菜たちを再びしまい、マップに表示された場所へと車で向かった。

指定された場所付近の駐車場に車を停めお店の前まで行けば、そこにはべろんべろんになってるビッグベイビーとそれを支える照史くんの姿が。

『あれ、照史くんと一緒やったんや』

「お世話になってるスタッフさんとかとご飯やってん」

『あー、それで楽しくなっちゃったパターンか』

「ごめんやで。連れて帰ろうとしてんけどAに来てもらうって聞かんくて」

『んーん。慣れてるから大丈夫』

「それもどうなん(笑)」

『ほら望。帰るよ。駐車場まで歩いて』

「おかんやん(笑)」

「A～！おれあるかれへん～！」

照史くんの手から離れるとふらふらしながらこっちに向かってご機嫌に肩組んでくるのんすけ。ちょ、シンプルに重いな。あんた自分がでかいってわかってる？

『こら！自分で歩け！こんなでっかいの担がれへんであたし！』

「あ、タクシー来てもうた。ちょっと待っててもらうし、俺車まで望運ぶで？」

『ううん、大丈夫。あとなんとかするから照史くん先帰って？明日ヒルナンやろ？』

「ほんまに？大丈夫か？」

『最悪引きずってでも連れて帰るから大丈夫。気にせんといて？』

「ごめんなあ。今度飯でも行こ。迷惑掛けたお礼に奢るわ」

『んは、楽しみにしてる(笑)』

ほなねーってタクシーに乗り込んだ照史くんに手を振って、今にも地面に倒れ込みそうな大男を担ぎ直す。

『ほら望！駐車場すぐやから自分で歩いて！』

「いやや！あるかれへん！つれてって！」

『もう！置いてくで！』

外なので少し控えめに、でもさっきよりかは大きな声でそう言うと、観念したのかふらふらしながらも自分の足で歩くのんすけを支えながら駐車場へと向かう。
こんなんほんまにおかんと子供やん。産んだ覚えないで、こんなでっかい子供。ていうか結婚もまだしてへんのに。