16.チャンス到来！ ページ16
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放課後、掃除が終わってからわざわざ職員室に行ったのに、生憎会議中らしく知ってる先生は誰も捕まらなくて。
せっかく渡辺先生に会って話聞こうと思ったのに！
私のいい思いつきが〜…
仕方ないから階段をとぼとぼ降りる。
ジンくんは委員会、奈子ちゃんはお休み、慎ちゃんは部活あるって言ってた。だから1人で帰るしかない。
外を見れば微かに雨が降っているのが見える。
ちょっと、というかだいぶゲンナリした。
昇降口に出ればさっきとは全然比べ物にならないくらいの雨音と風。ゴーッーーって言ってるよこわ！！
あの雲めちゃくちゃ速くない？
今はまばらだけど、雲の動きからして
なんか雨酷くなりそうじゃない？
てか今日私傘持ってたっけ？
あ、ない。ようこそ絶望的な未来。
手探りで探したリュックの中に折り畳み傘は無さそうで。ちょっとまって雨どんどん強くなってるじゃん！！
なんて1人でワタワタしてても周りには人が全然いない。
そもそも友達少ないからいてもどうしようもないけど。
今日は帰れそう？
と聞いたメッセージは、まだ既読がつかない。
これだから携帯でのやりとりは苦手なんだよ。
対面でのやりとりよりもっと、ずっと。
見えない表情を想像するのは難しい。
相手が好きな人なら、特に。
もういいや、帰ってシャワー浴びて風邪ひこう！
覚悟決めてこの暴風雨乗り切るしかないわたし！
｢わー、めっちゃ降ってる｣
『わっ』
びっくりして落としたローファーを拾う。
真横をチラッと見れば…あぁ気まずい。
よく知りも知らないのに一部の噂だけ聞いて
それからあんな風に言っちゃって
悪いと思ってるよ？確かに謝りたいし知りたいよ？！
でも今じゃない！今じゃないからー！！
距離はあるけど隣に立ってる金色の長髪と掠れた声。
間違いない、平野くんだ。
｢…あ｣
思いっきり顔を背けていれば近付いてくる足音。
ひぃぃぃぃ、気付きませんように！
わたしじゃありませんように！お願いします今はやだ！
｢Aちゃん｣
ゔっ、もう、仕方ない。
『ひ、平野くんこの前はごめ』
｢傘持ってる？｣
『へ？』
｢あ、いや俺はね！傘持ってるんだけど
Aちゃん持ってなさそうだったから…
入らんかなーと思って｣
『あ、そういう、、』
いや、これは平野くんを知るいいチャンスかも！
しかし、相合傘は
｢なんか雨強くなってきたし、入り｣
結構ハードルが高くないですか？
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mun(プロフ) - このお話大好きです！これからも楽しみにしてます！ (2020年10月26日 17時) (
レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - コメントありがとうございます！パスワードは作品を見て頂ければ分かると思います。 (2019年1月3日 13時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - パスワード知りたいです！ (2019年1月3日 12時) (レス) id: f4a3a3a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2017年9月10日 9時
