44 ページ46
中也side
中「・・・お前とあんまり長く一緒に居ると、都合が悪かったからだ」
正直に答える。
宵「えー、態々引き止めたのに」
と宵音は云った後、ふと思い付いた様に云った。
宵「あー、お前若しかしてアレか、私苦手か？」
中「は？」
口調も変わらず、何のショックも無さそうに云うが、心なしか、瞳が少し陰った。
宵「まぁあんだけ過去の傷抉られて、苦手意識持たねー奴は居ないと思うが、(中「そうじゃねぇよ！」
思わず遮る。
宵「なんだ違うのか。正直に云って貰って構わないぞ」
中「や、其れは本当に違ぇけど・・・」
言葉が詰まる。
(都合が悪い理由・・・理由)
中「あぁ・・・と、そうほらあれだ、仕事に支障が出るから」
宵「其れなら済まんかったが・・・私との会話がなんで仕事の邪魔になるのかが判んねーと、次から声掛けて良いタイミング判んねーし」
中「いや俺の忠告聴いてたか⁉関わる気満々じゃねぇかお前！つかしつけぇよ！」
犬歯を剥いて怒鳴り返す俺に、
宵「おうなんか済まん・・・」
気圧された宵音が少し申し訳無さげに答えた。
が、如何見ても納得のいっていない顔。
(あぁ〜もうッ‼)
此処で無理矢理話を打ち切るのは簡単だが・・・誤解を抱えた儘別れて後悔すんのは、昔の経験で痛い程身に染みてる。
ヤケになった俺は、意を決して云った。
中「・・・だよ」
心算だったのだが、実際には蚊の鳴く様な声しか出て居なかった。
宵「？ワンモア」
当然耳に手を当てる宵音。
其の謎に上手い発音何だよ。
中「・・・だからだよ」
宵「え、あ、先刻の理由か？悪いが良く聞こえん」
中「・・・あああもう‼好きだからだよ手前の事が！此の老聴////‼‼」
最ッ悪の気分だぜまったく・・・ッッ‼
宵「・・・前半の台詞はそっくりそのまま返すが・・・なんでまた私なんかを」
中「おン前もっとなんか反応しろよ‼俺が恥ずかしがってるだけだと莫迦みてぇじゃねぇか‼つか“私なんか”って・・・」
ん？
一寸待て、思い出せ。
なんか引っかかる様な・・・
中「・・・お前、先刻のもういっぺん云ってくれ」
宵「なんでまた私なんか・・・(中「其の前だ」
宵「前半の台詞はそっくりそのまま返す・・・や、厳密に云やぁ若干違うが」
前半の台詞・・・って、俺・・・告白、したん、だよな・・・？
っつー事は・・・
中「は？」
宵「おーい如何した？フリーズすん((中「は、おまっ、はあぁ‼⁉」
嘘だろ⁉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灰翠玲 x他1人 | 作成日時：2020年10月25日 6時
