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※宵音智星…チセイ
そのまんま、宵音弟です。今高2です。
弱シスコンかもしれません。
たまに体育会系語尾になります。
身長は中也と同じです。
男子高校生が、1年差のお姉ちゃんより背が低いのって珍しい気もしますが、気にしないで下さい。
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中也side
智「姉さんがあんな顔を向ける人なんて、そうそう無いんすよ」
中「・・・そ、そうか///」
特別か・・・。
少し緩む頰を、咳払いで誤魔化した。
(其れにしても)
智星の顔をちらっと見る。
其の、本当に嬉しそうな、温かい笑顔を見て、宵音と初めて会った時を思い出した。
弟も、と云いつつ宵音が浮かべた、あの微笑を。
中「ー成る程、確かに兄弟だな」
智「え?」
中「や、何でもねぇよ」
ふと、腕時計を覗き込んだ智星が、「しまった」という顔になる。
智「あああ!済みません、僕もう一寸行かなきゃ・・・引き止めておいて、御免なさい」
中「いや、俺は別に構わ・・・あっそうだ、宵音の電話番号教え、っておい!」
云い終わる前に、智星は人混みに消えた。
中「・・・チッ」
電話番号知ってたら会い易くなれたのに。
昼時という事もあり、人の減ってきた往来を見て、諦めて路地を出ようとした其の時。
宵「あーやっと見つけた。お前此処に居たのか」
薄暗い路地を照らす光の道を遮る影。
宵音が来た。
宵「追い付けて良かった。めっちゃ探した」
中「お前なんで態々追ってくんだよ!」
宵「用があるからに決まってんだろ。はい此れ・・・忘れ物だ。先刻渡すの忘れて悪かった」
そう云って、タイを差し出す宵音。
中「・・・嗚呼、ありがとよ。こっちこそ、手ェ煩わせて悪かったな。・・・んじゃ」
宵音の傍を通り抜け、路地を出る。
・・・本当はもっと長く話してたいが、考えを纏められていない今は未だ、“当たる”時じゃねぇ。
無駄に長く居ると、関係も深まり易いしもっと愛着が湧いちまう。
宵「あっおい!」
後ろで宵音が駆け寄ろうとするのが判る。
が、
宵「!痛って・・・」
唐突にガクっと付いた足の膝を曲げ、バランスを崩した。
中「!おい大丈夫かよ」
倒れかかる宵音を慌てて受け止め、支え乍ら路地へ戻る。
中「お前その脚・・・捻ってんのか?そんな脚で・・・未だなんか用があんのか」
宵「いや、もっと話したかっただけだ」
中「・・・‼」
ー何でだよ。そんな事言われたら、期待してくれとしか聞こえねぇじゃねえか。
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作者名:灰翠玲 x他1人 | 作成日時:2020年10月25日 6時