新入社員とポートマフィア (ページ42)

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中也side

「あ、そうっすそうっす！まあ僕も宵音なんすけど」

明るく笑う宵音弟。

此れが彼奴の？

(・・・全っ然似てねえ・・・‼)

正直、ぱっと見陰気な姉に対して、初対面の姉の知り合いに明るく声を掛ける、快活そうな弟。

割と日に焼けた癖っ毛と、見た目もまるで正反対だ。

駄目だ、イメージがつかねぇ・・・。

でも良く良く見れば、目の感じや鼻の形等、パーツ毎は似ていなくも無い、かも。

少なくとも、先程の宝石店にて、後ろで遊んでいた(？)あの学生兄弟よりは、頷けるな。

？「僕は宵音智星(チセイ)って云います！何時も姉さんが世話になってます」

中「いや、別に其処まで深い関わりはねえが。
俺は中原中也だ。処で・・・なんで態々声を？」

先刻姉さんと話していた、という口振りからして、先程の宝石店での会話を見ていたのだろう。

然し、姉の知人とは云え他人は他人。
そんだけで態々声を掛けるかね・・・？

余っ程過保護なのか？

智「違います違います！」

心を読まれたかと思った。

中「え、今俺、声に出してたか？」

智「全部顔に書いてありますよ！」

中「おう、其れは済まん(-▽-|||)」

マジか・・・気を付けねぇとな。

智「いや其れは良くてっすね、僕が声を掛けたのは、其の・・・知ってると思いますが、姉さん、かなりポーカーフェイスでしょう？」

中「正直云わせて貰うと、嗚呼、まぁ」

お前、実の弟に云われてんぞ。

智「其れに、割とほら、社交タイプじゃないっすから。加えて、流行も疎いし、お洒落もしないし、本しか読まないし、あんな性格なんで、結構浮いた存在なんすよ」

中「判った。充分過ぎる程イメージは浮かんだから、そろそろ止めてやれ」

流石に好き勝手云い過ぎだ。

智「・・・なので、先刻あの姉さんが、なんと宝石店の前で、然も誰かに対してあんなに楽しそうに笑ってるのを見て、二重に驚愕したんす」

中「矢っ張過保護じゃねぇか」

智「いやいやいやいや！どうしてそんな話になるんすか！決して過保護とかそう云うのじゃあ無いんすよ⁉無いんすけど！」

全力で否定して、

智「・・・でも、あんなに心許した様な笑顔は久し振りで。嬉しかったので、そんなに親しい方ならご挨拶しとこうと」

其れを過保護っつうんだよ。

中「ーあれ楽しそうだったのか・・・？」

智「勿論。見ていれば判ります。凄く楽しそうと云うか、嬉しそうと云うか。貴方を信頼して心を開いてるんだなあと思って」

↑文字数足りない！