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中也side
森「貴女は何のご職業を？」
宵「高3です」
森/中『え！？(成人だと思ってた)』
・・・ケーキの注文も自己紹介も一通り済んで、エリス嬢は、先程宵音と名乗った女性の持って居たメモ帳とペンで、絵を描き始めた。
えらく用意が良いこの宵音とやらに、俺はいくつか思う所がある。
まず、さっきから全然表情変わらねえ・・・ニコニコし過ぎるのも怪しいが、愛想笑いすらねえ。
敵意は無さそうだが、太宰並みに何考えてるかが読めない。
そして、
(背が高え・・・！！)
越されてんじゃねえか俺！
此れで学生でしかも女とか嘘だろ！？
俺が複雑な気持ちで宵音を見て居ると、
宵「何故帽子を取らないんですか？」
中「あー、其れは・・・」
言い淀んだままだと不自然だが・・・如何答えりゃ良いんだ？
此奴はもう俺の身体の一部みたいなモンだから、如何しても外す気になれねえ。
いや、別に背が低い事を気にしてる訳じゃねえぞ。
絶・対・に、だ。))圧
宵「考え無しに聞いてしまって済みません。放っとけって話ですが・・・マナー違反なので」
いや、其処か。
森「ふむ。確かに、テェブルマナーに反するね。中也君、外しなさい」
・・・首領が言うなら仕方が無い。
宵「そんな整った顔で綺麗な髪の色してるんですから、隠れてたら勿体無いですよ？」
逆ナンみたいな事を言われた。
何て返せば良いんだよこういう時。
相手は特に色目を使うでも無く、天然なのか世辞なのか・・・真顔。
(あああ、やりづれえ！！)
つぅか俺はあのナンパ野郎と違って部下じゃねえ女性の扱いにゃ向いてねぇンだよ！
中「いえ、そんな事は」
当たり障りの無い返答をした筈だが、何故かじっと此方を見詰めて来る。
そんなガン見しないで欲しいんだが。
中「・・・俺の顔何か付いてます？」
宵「・・・可愛い」
唐突に発せられた、1番言われたく無い言葉。
中「ンだと！！？」
思わずガタッと立ち上がった俺に、
森「中也君、迷惑になる」
言葉に乗せられた僅かな殺気に、背筋が凍るような思いで謝りつつ座り直す。
宵「すいません、別に揶揄ったつもりは無いんですが。丁度弟も此の位の背丈だったなぁ、と。弟もよく可愛いねって言われると、今みたいに食って掛かって来るんですよ」
其処で宵音は初めて微笑した。
此奴の弟と云う事は、当たり前だが更に歳下な訳で・・・考えたくもねえ、が。
敵意の無い会話も人を慈しむ温かい笑顔も、新鮮で・・・少し変な気持ちだ。
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作者名：灰翠玲 x他1人 | 作成日時：2020年10月25日 6時
