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中也side
だから今此の部屋はすっからかんだ、と苦笑する宵音。
銀と云い首領と云い、随分と信頼されてんだな、此奴。
中「話は判ったが・・・何でお前まで寝っ転がったままなんだよ。俺は3日も動いてねぇってんで動けねぇのは分かるが」
お互い寝転んで眼ェ見たまま話すってのはな。
宵「異能掛けっぱなしだった上意識の移動させんので疲れてんだよ。不都合在るか?」
中「いや無いが」
気不味いっつーか、なんか落ち着かねぇんだよ。
「にしても・・・くっそ、身体重テェ、動かねぇ」
早く戻らねぇとなんねぇのに・・・。
宵「そりゃ3日も何も喰ってねぇからだよ。よっと」
宵音はふらつき乍らも布団から立ち上がり、
宵「ほら栄養」
スーパーの物らしきオニギリを差し出して来た。
中「あのな、敵から貰ったもんそうホイホイと喰えるか!」
思わず起き上がって反論するが、
宵「だーもう、今更其処気にするか!」
開いた口に突っ込まれる。(←※危ないので良い子は真似しないでね☆by作者)
中「っぐ、むぐ・・・ごく。はあぁ・・・いや、美味いけど!むせるとこだったじゃねぇか!」
・・・とは云え、一口喰っただけでもかなり違う。
宵「済まん、其れは考えてなかった。・・・処で寝癖ヤバイぞ、えぇと」
中「如何した、真逆俺の名前忘れたか?」
宵「そんな訳在るか。此の口調だとなんて呼びゃ良いのかと」
中「中也で良いだろ」
宵「そうか・・・なんか此の飛び出てる髪可愛いんだが」
中「るっせぇ‼俺に可愛いって云うな‼」
鏡を覗くと、確かにぼっさぼさだった。元の癖っ毛が祟ってんだよ、此れ。
ー漸く現状が理解出来て落ち着いて来たので、俺は周りを観察したが、確かに何も無い。
そして宵音は上下ともゆったりとした格好をして居た。
襟元から覗く白い肌に、鎖骨が浮かび上がる。
中「お前其れ、寝間着じゃねぇか」
宵「だって寝てたし」
中「客が居んだろ!」
太宰と意見が被るのは癪だが、もう少し意識しろ。
中「・・・俺はもう行、ッッ〜〜〜ってェな此の‼」
別れを告げようとした時、唐突に脚を縺れさせて倒れた宵音の身体が、未だ床に居た俺に直撃する。
中「ちょ、大丈夫かよオイ⁉・・・って、寝てる」
相当無理をしていたらしい。
「おい此処で寝んな、退けっつの・・・ったく」
仕方が無く、重力操作をして宵音を布団に寝かせる。
こうして見るとやっぱ大人だよな。顔付きも雰囲気も、其の・・・身体も。
中「ー行くか」
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作者名:灰翠玲 x他1人 | 作成日時:2020年10月25日 6時