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No side
遡る事約半日前。
犯人を無事確保、身柄を引き渡し、社に戻る途中。
太宰の視線が、商店街のアーチ形屋根の鉄骨に釘付けの間に。
宵音が消えた。
太(ーうーん、表通りには居ないか)
嫌な予感が、太宰の胸中に燻る。
太宰は“彼等”が好みそうな路地裏に入り、
そして、
太「ーやァ森さん、元気にしてた?」
芥「・・・‼太宰さん‼」
ポートマフィアの“黒き禍犬”が真っ先に反応する。
森「ーおや太宰君、久し振りだね。行成で悪いが、お宅の宵音さんを探しているのだけど、知らないかい?」
10数の銃口を前にしても太宰の態度は変わらず、
太「奇遇だね、私もなんだ」
と云いかけた処で、
宵「あっ居た太宰さん。って、えっ此れやばくないですか⁉」
なんと当人が乱入して来た。
太「・・・宵音ちゃん、タイミングが。そして何処行ってたのだい」
森「おお、丁度良かった。今君を探していた処だよ」
宵「あっ、森さん。御無沙汰してます。成る程、此の人達はポートマフィアの」
そんな平然とした宵音の態度を見て、太宰は複雑な顔をした。
太(国木田君が言った時は真逆と思ったけど・・・此のシチュエィションで本当に無警戒だなんて。宵音ちゃん、純粋過ぎでしょ。全く、危なっかしくて仕様がない)
だが太宰が其れ以上に驚いたのは、芥川の反応だった。
芥「お前が、宵音?」
森「芥川君、知ってるのかい?」
芥「銀の友人だ」
森&太『え⁉【あの銀ちゃんに友達⁉】如何言う事だい』
宵「へぇ、てことは貴方あの銀ちゃんのお兄さんですか?何時もお世話になってます」
芥「然り。・・・半年程前、銀は或る仕事の為、学び舎に潜入していた。其の際、色々と厄介になったと聴いている。銀は随分と信頼している様で、僕も写真を見させて貰った。曰く、[友達付き合いは此の人から学んだ]と・・・今でも偶に交流が有った筈」
宵「はい」
太「ほえぇ・・・あの銀ちゃんがねぇ。善意で人脈を広げるとは、また器用な(まぁ如何考えても拙い部分まで広がっているけど)。」
森「借りは一つでは無かった、と云う事か・・・。色々と世話になった上に(主にエリスちゃんの分)、在ろう事か中也君が誤って殺し掛けて仕舞うとは、済まなかったねぇ」
本来なら最後の項目は[済まなかった]で済む問題では無いが、
宵「いえ全然、此方こそ・・・そうだ丁度良かった、中也さんの異能解除しないと」
森「おや、話が早くて助かるよ」
↑文字数が‼
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作者名:灰翠玲 x他1人 | 作成日時:2020年10月25日 6時