24（過去からの脱出）※前回の話と繋がってません ページ24
中也side
何回目だろう、此の光景。
もう目を逸らすのも疲れて、未だに何が起こっているかも判って居ないまま、ぼうっと“記憶”を眺める。
“解決法”ー
嗚呼、また此の表情だ。
如何仕様も無い、絶望と、悲しみと、もどかしさが入り混じった、其れでいて強がる様な表情。
“リーダー”の本当の意味を知らず、唯邁進して居た愚かな自分。
此れを見る度、とっくに消えた筈の背中の傷が、疼き出す気がして、
中「・・・そんな顔すンじゃねェよ」
ボソッと呟く。
ふと横に人の気配を感じ(精神内でも気配っつーのは有るらしい)、見ると、
宵音が立って居た。
中「手前・・・何だよ此れ、何が如何なってやがんだよ。俺に何をした」
最早胸倉を掴む気力も無く、精一杯睨み付ける。
宵音は“記憶”に眼を向けたまま答えた。
宵「敬語は無し、だったな。済まん、間違って私の異能を掛けてしまった、んだが・・・」
其処でまたループ。同時に、宵音の言葉が止まる。
俺の表情や台詞から、即座に状況を読み取ったらしい。
宵「そんな・・・裏切られた、のか・・・？」
中「嗚呼。・・・・・・？」
宵音、変じゃねぇか？
見ると宵音は・・・泣いて居た。
流石に此れには驚く。
宵「悪い、こんな、に厭な過古って、初めてで・・・他人の、過去に色々云うのは、野暮だ、が・・・此、んなのって・・・無い、だろ・・・？酷すぎる・・・。此のお仲間さん達は、何が遭ったんだ・・・！」
中「・・・手前が見せたンだろが。同情なんかすんじゃねェよ」
ただ、最後の台詞には少し驚いた。
裏世界では珍しくも無い裏切り。
其の、裏切った側の事情。
会ったことも無い“羊”の奴等の事まで含めて、心を痛めているのだ。
宵「そう、だよな。私のミスで、こんな処に・・・本当に、悪かった・・・‼」
中「・・・もう良い。さっさと此処から出せ」
ー気を取り直したらしい宵音は、
宵「あ、そうだな・・・良し、行くぜ」
俺の袖を掴み、漆黒の地を蹴る。
身体が浮いたような一瞬間の後、水中から陸に上がった時のように、身体に重力が付加された。
ーーーーーーーーーー
眼が覚める。
見知らぬ天井。・・・何処だ、此処・・・？
ふと隣を見て、
中「って近けえぇ‼」
距離数10�僂砲△訃�音の寝顔に思わず飛び起きるが、
「ッ痛っ・・・」
全身に走る鈍痛に顔を顰め、また布団に倒れ込んだ。
宵「ん、耳元で大声出すな。あと急に動かん方が良い」
中「ー今の状況説明しろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灰翠玲 x他1人 | 作成日時：2020年10月25日 6時
