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No side
宵音の試験開始から3日。
国木田は感動していた。
国「宵音・・・お前を、風紀委員に任命する」
宵「此れって有り難かって良いんですかね？私未だ正社員ですら無いんですが」
谷「国木田サン、お気持ちは判りますが一寸待ッて下さい」
宵音は有能だった。
件の立て篭もりテロでも垣間見えた、技能的な実力や信念は勿論、接客態度も至って良好。
物覚えも速かった。
ーだが、国木田の感動ポイントは其処ではない。
何よりもまとも、つまりは常識人だったのである。
報告書はちゃんと書くし、相方のペースに流されない。
太宰のナンパには突っ込みを入れつつスマートに躱す。
国(まともな奴は俺しか居ないと思って居たが・・・真逆此処で増援が来るとは・・・‼)
尚、予定の全てを手帳に従い、時間は秒単位が当然だと考えるのもあまり常識とは云えないという事には、国木田は気付いていない様である。
・・・しかし、宵音にも矢張り得手不得手はあるようだ、という事を、国木田は午後になって知った。
国「お前、タイピングは速いのにパソコンの使い方が判らんとは如何云う原理だ？」
宵「済みません。私機械音痴なもので。ええと・・・あ、変なの押した。ファイルって何ですか？」
国「お前そんな事も知らんのか、此処をこう・・・はぁ。近頃の女子高生はあの薄っぺらい携帯を常々いじって居るんだろう？機械に長けているかと思ったのだが」
宵「や、私がやらないだけです。何が楽しいんでしょうね、あれ」
常識人ではあるようだが、浮いた存在である事に間違いは無いらしい。
国「ってお前ちょっ！其処は押すな押すな！・・・もういい。2日前から強盗捕縛の依頼が入っている。もう少しで出没時刻だ。太宰と行け」
宵「判りました。済みません、其方はお願いします・・・太宰さんは？」
国「下の喫茶処だ」
書類を受け取った宵音は階段を下り、品の良い感じの扉を開けた。
宵「太宰さん、仕事です」
太「えぇ〜！私宵音ちゃんと外の仕事するの厭だよ」
谷&敦【太宰さん、基本的に仕事は何でも厭でしょ】
谷「ちょ、本人の前で！・・・ッて云うか珍しいですね、女性に対して太宰さんがそンな事言うの」
太「だって寄り道ばっかりなんだもの！」
敦「寄り道？」
太「道行く人々を手助けするのだよ。時間が掛かってねぇ」
敦「そ、其れは複雑ですね・・・でも兎に角仕事は行って下さい」
2人に見送られ、太宰と宵音は出たのだが、
太「ー宵音ちゃん何処？」
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作者名：灰翠玲 x他1人 | 作成日時：2020年10月25日 6時
