10 ページ11
宵音side
そう云った瞬間、中也さんは愕然として、私を凝視した。
中「な・・・」
其処で漸く、私は中也さんと眼を合わせた、が。
宵「あ」
(しまっ、未だ異能発動中)
一瞬意識が飛び、私は戻って来たのだが、
中也さんから力が抜けた。
手が離され、当たり前だが地面に落ちる。
宵「あ痛」
中也さんは其の儘崩れた。
森「なっ、中也くん!?」
其の時、またあの男の声が響いた。
?「おーおー、集まってんなぁ、警察?透明なドアだからよォく見えるぜ。でもコッチにゃ人質が居る。客と店員全員だ。・・・おい2階!」
声の具合で、男が上を向いたのが判る。
と同時に一つ階下から、「制圧完了」と云う声が聞こえた。
男は満足そうに、
?「良し。・・・3階!」
私達の居る階だ。
?「・・・おい、3階班?誰か応答しろ。・・・如何した!?」
如何やら、中也さんの餌食に成った6人で全員だったようだ。
男の声が苛々と焦りを帯び始めた時、
デパートの中に、電光のように緑色に淡く光る・・・雪。
森「此れは・・・!」
?「あ"ぁ!?」
狼狽し始めた犯人グループを、タイミングを見計らって駆け込んで来た警察・・・を先陣切って居たのは、
国「動くな!武装探偵社だ!」
あ、彼の人、午前中に会った・・・!そう、確か、国、国・・・えぇと・・・
宵「く、国枝さん!?」
国「宵音!?お前何故此処に!そして誰だ国枝とは俺は国木田だ!上司の名前も覚えられん様では接客などさせられんぞ」
宵「其れは困りますが今言ってる場合じゃ無いでしょ」
ポイポイと敵を投げ倒しつつ会話を成立させる国枝さん改め国木田さん。
かっけえ・・・と云うかつえぇ。
「大方避難完了です!」との報告を受け、見える範囲の敵も伸びて、一息吐いた国木田さんは此方を見て、驚愕する。
国「おまっ、今直ぐ其の男から離れろ!!」
宵「?」
其の男・・・森さん以外に考えられない。
いやでも、私は現在壁際であり、此処から離れようとすればもう飛び降りるしか無い。
森さんを振り返ると、其の眼は今迄とは違う、鋭い雰囲気に成って居た。
先刻の発言と云い、あの人数を瞬殺出来る力量と云い、此の人達本当何なんだろう。
「動くなっ!!」
私の思考は、其の怒号によって、周囲の音諸共寸断される。
?「きっ、キャーッ!!!」
?「は、はっ、此処には未だ人質が居るぞ!」
腰を抜かして逃げ遅れた人を盾に、隠れて居たらしき敵の1人が威勢を取り戻し言った。
国「糞!」
77人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:灰翠玲 x他1人 | 作成日時:2020年10月25日 6時