【国木田独歩・ACUTE】 ページ45
*アニメ版蒼き王の事件後に就職した夢主と国木田さん
*夢主がヤンデレ
──このままで、いい。
そう、思ったのははたして誰だろうか。
恋仲にあたる関係の女性ができた。
とても可愛らしい、妹のような恋人。
「独歩さん」
そう呼ぶ彼女が愛おしくて。
「なんだ、A」
そうやって今日も、甘い声をかける。
──ある日、墓地に行って佐々木女史と六蔵の見舞いに行って帰ってきた日。
「──独歩さん、……なに、それ」
「……それ、とは?」
「……誰と会ってきたの」
「は?いや、今日は墓参りに……」
睨め付ける瞳が、いつになく昏く。いつもはしないスキンシップも多かった。
「……わたしね、国木田さんが誰と会ったか、わかるんだよ。お墓参りに行ってきたのは、本当」
背後から抱きしめられ、ぞっとする。いつもなら、可愛らしいと思うのに。
今日に限って、ひどく恐ろしく感じた。
「……女の、墓参りだ」
──ぞくりと、冷たいものが背筋に走る。
彼女らしからぬ低いトーンに、冷や汗が止まらない。
なにも疚しくはないのに。恋人でもなんでもないあの人の墓参り、疚しくはないのに。
「っ、A……?」
「……なんてねっ、太宰さんに聞いただけだよっ」
ぱっと笑った彼女に、心底ほっとする。断じて浮気ではないが、後ろめたさはある。
「……を、……て、なんて」
ぎゅう、と腹に回された手の力が込められる。まるで、──なにかに怯えるように。
「……知ってるよ、国木田さん。佐々木さんって人が好きなことも。その人はもう死んでることも、わたしのことなんて、妹のようにしか見てないことも。でも」
──彼のいなくなった冷たい部屋で、彼の写真を床に敷き詰めて、ぼろぼろと涙をこぼす。
「……それでも、わたしだけを見てほしいんだよ……!」
ひゅっと振りかぶったナイフは的確に写真の中の彼を狙う。
「……どうして、わたしは彼女じゃあないのかな……」
──そのナイフは、写真に刺さる寸前で止まる。からん、と手から滑り落ちて。
「だめだよ……わたしは、彼が好き。傷つくなんて許せない……!」
夜の帳が下りたその闇に、なにが残るのだろう。
【ひっさびさに国木田さん。これはヤンデレなのか否か。
立ち位置はミク→夢主、カイト→国木田、ルカ→佐々木さん。
テーマは、「死.んだ人に復讐はできないよね」。夢主は、想いの残滓とかが読み取れるみたいなガバ設定があった。
今後も曲ネタやっていきたいです。】
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黒バイ(プロフ) - 正装の国木田さんイケメンすぎですよね!死にそうになりました。 (2018年9月27日 14時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - こちらこそリクエストにお答えしていただき有難う御座います。またリクエストする時がありましたら、その時も宜しくお願い致します。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - リクエスト消化ありがとうございました。賢治くんなら確かに受け入れてくれそうですね。ありがとうございました。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?国木田さんの誕生日を祝う…と言うお話をお願い致します。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 書きやすい方で書いてもらって大丈夫です。よろしくお願いします。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃめろん | 作成日時:2016年10月18日 22時