【文スト】気儘に【短編集】

【探偵社・とある神様の退屈凌ぎ】 ページ37

※御大がキャラとして存在しているために成立しない話
※ひとときの神様気分をどうぞ



──とある探偵社員、Aは、謎が多い。

まず、いつから社員になったのか誰も覚えていない。

「Aさんて、なんか不思議ですよね」

そう、谷崎の言う通り。

古株の乱歩と社長ですら、把握していないのに、確かにAは探偵社員なのだ。

それから、ぞっとするほどの美貌。

「うつくしいお嬢さん──」

そう、太宰の言う通り。

寒気がするほどうつくしいかんばせは、この世のものとは思えない、まるで神のような不変的な美しさ。

それから、それから、それから──……？

「……くす」

くす、くす、くす。

「不思議だよねえ、僕ですらわからないなんて」

乱歩の言う通り。

Aが笑いかける、ただそれだけで、どんな事件も解決してしまう。

Aが笑いかける、ただそれだけで、どんなことも、すべて神の思し召しとでもいうかのように、すべてが正しい方へ。

「……知らないで」

「──Aさん？」

敦が問う通り。

海を見つめるAは、どこか楽しそうで憎しみを内包していそうな顔で、悲しそうで怒っているような声で呟いた。

「────いあ、いあ！」


【某にゃるさま的な。
いやあ、とある占ツク内の作品で「グレートオールドワンかよ」ってツッコミがあってめっちゃ笑わせてもらったので書いた。他意はない。
クトゥルフ神話TRPGはいいぞ。私はノーデンスさまがいいです。ムンビさんとかも嫌いじゃない。人間姿のにゃるさまってダメボないんですよね、手加減してくれてるんですよねすごいよね。
神様の退屈凌ぎですから、ほんのひとときの非日常を味わってくださいね】

【澁澤龍彦・愛は盲目】※あやな様リク→←【国木田独歩・夏祭り】

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