【文スト】気儘に【短編集】

【六月十九日、ハッピーバースデー・太宰治】 ページ34

＊遅刻した太宰誕夢
＊浮気絶対許さない夢主と付き合ってても浮気性太宰さんの誕生日
＊一種のトロフィーマニア的なもの紛れていますが他意はありません
＊ヤンデレとも取れる夢



──六月十九日、夕飯後の食卓に並んだもの。

桜桃の乗った西洋菓子(ケェキ)、縄、蟹缶、包帯、味の素、短刀。

好物と物騒なものが交互に並べられ、異様な雰囲気を醸し出している。目の前にはすっごくいい笑顔の彼女。


「これ……なんだい？」

「治、誕生日でしょう？プレゼントだよ。どれがいい？あ、おすすめはね、この縄。苦しくていいよ」

「？？？？」

「短刀でもいいんだけど、なんだか物足りないかもと思って。あ、でもこれでスパッといったらすぐいけるかもよ」

噛み合わない。

「一寸、一寸待ってくれ給えよ。何故こんな殺.人グッズと私の好物が交互に並べられているんだい。そこから説明願いたいのだけど」

きょとんとした顔で、首をかしげる彼女はとても愛らしいけれど、短刀構えてる時点で危ない。

「治が浮気性だから」

「え……」

「浮気グセが染み付いて治らないみたいだから、強制的にと思って。耳か浮気性治すか、だよ」

……浮気したくらいで耳を切り落とすという彼女の発想はある意味怖い。

さすがに耳を失いたくないので、お願いすることにした。

「……ごめんね、そんなこと言わせて。もう、浮気しないから、ケェキ食べよ？次したら耳揃えてあげるから」

「本当？よかった！じゃあフォーク持ってくるね！」

ぱたぱたとフォークを取りに行った彼女を見送り、テーブルの物騒なものを片付ける。

桜桃が飾り付けられたケェキは綺麗にきらめいて。

「誕生日おめでとう、治！」

「ありがとう、A」


【ハッピーバースデー太宰先生、太宰さん！ということでバースデー話(遅刻)。
推し以外の話のヤンデレ率が異常。
そういえば新刊やっと手に入れましたよ！文ストは一体どこへ向かっているのか。末広さんだけはお名前を存じていたんですけど、文ストって新キャラマイナーなところ突いてきますよね……知識が増えます。
追記。ケーキ切るとか言わせてた。すみません。フォーク持ってくるね、です。最初ホールケーキのつもりで書いてた名残です。】

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