【中島敦・永遠に】 ページ31
※夢主さんがややヤンデレ風味です
※特典小説(白の芥川、黒の敦)の世界軸
──ぱちん。
電気のスイッチが入るような音で、ふっと目を覚ました。
ぽう、と淡い桃色の明かりが灯り、部屋を照らした。
壁紙は黒と桃色に彩られ、床も同じようになっていた。
──なぜか、僕は鉄格子の檻に入っていたけど。
「起きた?」
美しい人だった。
背中を流れるような髪は明かりを受けて艶めき。
淡く光るイヤリングはきらびやか。
潤む瞳は湖面のように静か。
ドレスは桃色と黒。ところどころに薔薇のあしらわれたその衣装は、ひどく妖艶。
そして、屋内なのに差されているドレスと同色のフリル付き傘は、白い手袋に包まれた手に。
かつん、と黒のヒールが床を鳴らした。
「おはよう、虎くん」
「あなたは……誰ですか?」
「私は──」
「え?」
闇に溶けてしまい、吐息交じりのその声は耳に届かず消えた。
「まあ、呼びやすい人名で呼んでもいいわ、虎くん」
「で、では、Aさん」
そういうと、彼女は目を見張って、くすりと笑った。
「良いよ」
──それから、彼女とたくさんの話をして、話題が無くなったころ。
どのくらいすぎたろうか?
「あ、あの。今、何時ですか?18時に太宰さんのところに行か」
ないと、と続きを言うことは叶わなかった。目にも止まらぬ速さで、指が唇に当てられた。
「……A、さん?」
「無理、だよ。君はこの部屋から出られない──永遠に」
蠱惑的な笑みが、ひどく妖艶に映った。
「ここは、私の作り上げた空間なのよ。私が許可した人しか出入りできない。異能じゃないから、こわぁいダザイサンも、誰も入ってこれないよ。怖がることなんて何もないわ」
一緒に、生きよう?
「──永遠に、この、はこのなかで」
妖しく笑った彼女に目眩がした。
ああ、これはまさに檻。
彼女が愛したものを閉じ込める、愛の檻なのだ。
→BAD END?[孤独な蠱毒と囚われし虎]
【人を選ぶのかもしれない。ヤンデレなのかもうよくわからん。蠱毒ってのは、1つの壺かなんかに虫だかをたっくさん詰め込んで争わせて、生き残ったやつを呪術に使うアレです。この夢主さんはヒトでそれをやった生き残りって裏設定があったりして。異能じゃない空間なんですけど、夢主さんの著作の中です。本の中です。
迷い犬、80連プラス単発いくつかで頭目お迎えできました。
文スト新刊、六月発売ですね。たぶん死んでますけどゲットはします。リク待ってます】
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黒バイ(プロフ) - 正装の国木田さんイケメンすぎですよね!死にそうになりました。 (2018年9月27日 14時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - こちらこそリクエストにお答えしていただき有難う御座います。またリクエストする時がありましたら、その時も宜しくお願い致します。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - リクエスト消化ありがとうございました。賢治くんなら確かに受け入れてくれそうですね。ありがとうございました。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?国木田さんの誕生日を祝う…と言うお話をお願い致します。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 書きやすい方で書いてもらって大丈夫です。よろしくお願いします。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃめろん | 作成日時:2016年10月18日 22時