【文スト】気儘に【短編集】

【梶井基次郎・宇宙大元帥】 ページ23

※梶井さんのいう「宇宙大元帥」についてのグダグダ話。後半わけわからん

梶井さんは、実験をしながら、檸檬を手に取って眺めながら、よくこんなことを言う。

「宇宙大元帥」

……誰だそれ。

「かじーさーん。檸檬買ってきたーよー」

「今いいところだからそこ置いといてくれ」

「宇宙大元帥からのお告げか何か？」

「そうだね」

なんて言いながらフラスコだかなんだかを熱心に覗き込んでいる。宇宙大元帥からのお告げって、何だ。

「うーん……失敗だこれ。ああ、檸檬ありがとう。」

何個か檸檬を取り出し、またなんらかの作業を開始する。科学班ではあるのだけど、私の本来の専門は化学なのだ。

Scienceとchemistryはわりと違う。仕方ないから周期表でも眺めよう。

「君は、自分の実験はしないのかな？」

「私は、かじーさんが実験対象だからいーの」

「僕？」

せめてフラスコから目を離せよ。

「そう。かじーさんがどんな時に喜んで、悲しんで、怒って、楽しんでるのか見るのが好きだから」

ふうん、と呟いてまたなんらかの実験を続けた。

彼のいう、「宇宙大元帥」とは、どうせ科学を理解できないわたしにはわからないものなのだろう。
彼が、その大元帥について明確に言及しない限りは。

「かじーさん、檸檬いくらかもらっていい？」

「2、3個なら構わないよ」

「暇だから檸檬パイ作る。終わったら食べよ」

「そりゃ楽しみだ。僕も急いで実験を終わらせなくては」


かじーさんが、いつか、彼の実験を終わらせられるように。

全てのさいわいをかけて、願う。



【久々に書いて梶井かよ！と思われた方はすみません、推しなんです。
文ストゲーム配信されましたね！SSR旧双黒揃えてしまい、さらにはハロウィンな太宰さんも来てしまいました。梶井さんはハロウィンしか居ないです。あの梶井さんの衣装、『宇宙大元帥に頂いた』らしいですよ。かわいい。宇宙大元帥とは一体誰なのか……。】

【国木田独歩・告白と嫉妬？】→←【梶井基次郎・レモネード】

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