【織田作之助・傘】 ページ2
しとしとと雨の降る日だった。
私は雨に濡れたくて傘も差さず外にいた。
別になにがしたかったわけじゃない。服が濡れても肌が濡れてもよかった。
だけど、彼は、私に傘を差し出して言ったのだ。
「濡れたままだと風邪を引くぞ。」
紺色の折り畳み傘。ずっしりした重みが手に伝わる。
「あの、貴方は大丈夫なのですか?」
そう言えば、彼は綺麗な瞳を軽く見開いて
「俺はいい。返さなくていい。すぐ帰るんだ」
真剣な目でそう言った。
すぐ帰れ、その意味はよく分からなかったが素直に帰った。気付かなかったが、傘の柄の、銀色の部分に「ODA」と彫られていた。彼はオダというらしかった。
あの青い瞳に、なぜだか心を惹きつけられた。
翌日、彼と会ったのと同じところで待ってみた。彼が来るかと期待して。
―しかし彼は来なかった。
その翌日、もう一度行った。
左右を見渡し、来ないか来ないかと待ち望んだ。
夜もふけた21時。ふと見れば彼の姿があった。駆け寄り、声をかける。
「オダさん!」
びっくりしたようにその綺麗な瞳を見開いた。よく見れば隣にスーツに丸眼鏡の男性と真っ黒な服装で包帯の目立つこれまた男性がいた。
―プライベートだったか。
「突然、すみません。傘をお返ししたくて」
あの紺の傘を差し出せば、彼の手は私の手に乗った傘をそっと取りながら、
「あ、……ああ。態々悪いな」
と、気まずそうにした。
やはり、男性たちとは友人、若しくは仕事仲間なのかもしれない。
突然現れた私など、見ず知らずの女に映るであろう。
「お邪魔してごめんなさい。傘、助かりました。ありがとうございました」
「あ…」
「会えて良かったです、オダさん」
【名前出さなくてすみません。
初投稿は織田作でした!アニメの織田作の瞳がめっちゃ綺麗なので瞳について言及したかっただけです】
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黒バイ(プロフ) - 正装の国木田さんイケメンすぎですよね!死にそうになりました。 (2018年9月27日 14時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - こちらこそリクエストにお答えしていただき有難う御座います。またリクエストする時がありましたら、その時も宜しくお願い致します。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - リクエスト消化ありがとうございました。賢治くんなら確かに受け入れてくれそうですね。ありがとうございました。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?国木田さんの誕生日を祝う…と言うお話をお願い致します。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 書きやすい方で書いてもらって大丈夫です。よろしくお願いします。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃめろん | 作成日時:2016年10月18日 22時