44 誤解の始まり ページ44
〜貴方Side 〜
月曜日の放課後、
私はいつも通り部活のマネジメントに勤しんでいた。
昨日の楽しかった空気はどこへやら、来月に合宿を控えている事もありそれぞれが懸命に練習に打ち込んでいる。
そんな雰囲気に飲まれ、自分も頑張らなくてはと両手で頬をパシッと叩いた。
『よしっまずはタイムの計算!』
デスクから立ち上がって記録に必要なボードとペンを手に取ると、部室を出てテニスコートへと向かった。
ーーーーーーーーーーー
広いテニスコートの脇でみんなの手の空くタイミングを待っていると、ちょうどウォーミングアップを終えた蓮二がこちらへ歩いてくるのが見えた。
『おーい蓮二、5キロランの3回分のタイム教えてくれるー?』
柳「あぁA、今行く」
走り込み直後でおそらく息も相当あがっているのにわざわざ走って向かって来てくれてる事が申し訳なくて、 私も蓮二の方へと走った。
…のだけど。
ズシャッ!
『っ…!!!』
柳「A!」
私は転がっていたテニスボールに躓き、そのまま転んで顔面を地面に擦ってしまった。
痛みを感じる前に蓮二がすぐに肩を支え、私を起き上がらせる。
柳「大丈夫か?今のは痛かっただろう…顔を見せてみろ」
蓮二が私の顔に手を添え優しく顔を覗き込むと、
やはり傷ができていたようで…
柳「うーん少し出血しているな。1年の奴にはテニスボールを通路に転がさないよう言っていたのだが…すまない。傷は俺が診よう」
『いや、謝らないで!私の不注意だし』
私が何を言おうと聞かず、結局蓮二が私の手を握ったまま近くのベンチへとアテンドする。
柳「一旦ここに座れ」
ベンチに腰を下ろすと、何やら荷物を持った人が近づいて来た。
柳生「…Aさん!お怪我をされたのですか!?」
『…あ、柳生。うん、ボールに躓いて顔からいっちゃってさ〜』
あははと頭をかいて笑ってみせると、柳生はその手に抱えていた大きな箱をドンと地面に置いた。
柳生「可哀想に…私が手当てしましょう。柳君はその間、Aさんの代わりに5キロランの計算をお願いしてもよろしいでしょうか」
柳「救急箱とは嫌に準備がいいな…では悪いが頼もう。A、俺が計算をしておくから少し休んでいるといい」
『あ、ごめん。ありがとう!』
柳がボードを持って去ると、柳生はその救急箱を開ける。
…あれ、部活で所有してる救急箱とちょっと違う?
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キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 読んでくださってありがとうございます!!自分の願望を書いてみたら同じ仲間が見つかって私自身も嬉しいです…!鬼更新めざすのでぜひ読んでいただけたらと思います!よろしくお願いします^_^ (2022年9月16日 12時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
こかさいだー(プロフ) - 立海中心の逆ハーとか私得すぎてもうほんとにありがとうございます・・・((神作に出会えた事に感謝です!!更新応援しています! (2022年9月16日 2時) (レス) id: 5463478506 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月10日 0時