45 救急箱の中身 ページ45
『その救急セットってうちの部活のだっけ?』
それとなく聞いてみると、柳生は消毒液やガーゼを取り出しながらこちらを少しだけ見上げた。
柳生「いえ、これは私の私物です。我が部員たち…特に貴女がいつ怪我をするかわからないので、すぐに手当てできる様に最近は持ち歩いているのですよ」
柳生は丁寧な受け答えをしながらもテキパキと手当の準備を進めていく。
『えー、私ってそんな怪我する様な人にみえた?あはは』
さすがに備えが良すぎだろと笑っていると、柳生が隣に座った。
そして消毒液を染み込ませたガーゼを優しく私の顔に乗せる。
その時一瞬、メガネの奥の瞳が見えた。
『あ…』
柳生「滲みますか?」
ピリッとした痛みを感じ、少し体が疼いた。
『だ、大丈夫、痛くないよ』
柳生「薬を塗っておきますが、傷が直るまで紫外線は避けた方が良いでしょう。傷の上にも使える日焼け止めがありますから、治るまで使ってください」
手当てを終え、すぐに後片付けを始める柳生に感心する。
私なんかよりずっとデキる人だ…
そんな紫外線のことなんてふつう思いつかないよ。
『…ありがとう、ほんと助かったよ!』
柳生「いえ、何かあればいつでも私に仰ってくださいね。それでは」
柳生に手を振り、私は計算を任せてしまっていた蓮二の所へと向かった。
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キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 読んでくださってありがとうございます!!自分の願望を書いてみたら同じ仲間が見つかって私自身も嬉しいです…!鬼更新めざすのでぜひ読んでいただけたらと思います!よろしくお願いします^_^ (2022年9月16日 12時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
こかさいだー(プロフ) - 立海中心の逆ハーとか私得すぎてもうほんとにありがとうございます・・・((神作に出会えた事に感謝です!!更新応援しています! (2022年9月16日 2時) (レス) id: 5463478506 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月10日 0時