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＊
今日の運勢は最悪。多分、人生で一番。
……何故かって？
そんなの、目の前を見れば一目瞭然。
「わぁ…！このお弁当、小春ちゃんが作ってくれたの？」
「はい！あんまり自信、ないんですけど…」
中庭のベンチに座る二人の生徒。あんなの、誰がどう見てもカップルじゃん。
嬉しそうに笑う男子生徒、小林悠人は私の彼氏だ。
一年の時に結ばれた私たち、けど二年になってクラスが離れて、最近どうも予定が合わないなぁ…、なんて呑気なこと思ってたら。
『…なぁーにが、今日は部活の先輩と食べる。だよ』
あの上履きの色、どっからどーみても後輩じゃん。
…しかも結構可愛い女子。
「このウインナー、タコさんの形で可愛いね」
「えへへ…。頑張って作ったんですけど、どうですか？」
「うん、とっても美味しい！」
…これは判決、有罪では？
私の心の中で、裁判官がガベル(木槌)を鳴らす。
あんな目立つ場所で堂々と仲良くしちゃって。
自販機で飲み物買いに来ただけなのに、とんだ現場を目撃したものだ。
……この前やその前の昼休みも、その可愛い後輩と過ごしたわけ？
買ったばかりのペットボトルを握りしめ、私は校舎の方へと踵を返した。
＊
向かった先は友人の待つ教室。…ではなく、人気のない旧校舎。
旧校舎はほとんどが空き教室で、音楽室や家庭科室など今も使用されているものも僅かにある。
通い慣れたこの教室は、年々減る生徒数によって今は使われていない。
誰もいないことを確認し、中に入る。
大きく息を吸い込み、
『ふざけんなこの【ﾋﾟｰ】野郎ッ！！！！』
『何がタコさんウインナー可愛いね♡だよタコはてめぇだ』
『人が大人しくしてたらつけ上がりやがって、彼女が同じ学校なのに校内で堂々と浮気すんな、しばくぞ』
この世のありとあやゆる暴言を吐き尽くす勢いで怒声を撒き散らす。
こんな場面見られたら、確実に応援団部から勧誘が来る。
そう確信できるほどの声量。
だがここは旧校舎、こんなところへ来る物好きなどいない。
通い慣れた私が言うのだから間違いない。
「んふ、」
__________間違いない、筈だったのに。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
本館から予鈴の音が聞こえ、私は慌てて教室を出た。
「……ふーん、おもろいやん」
まさか、誰かに見られてるなんて知らずに。
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悠(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (
レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです！続きが気になるので更新いつまでも待っています！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します！このお話大好きです！更新待ってます！ (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください！ (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ | 作成日時：2020年3月27日 22時
