52 ページ6
『お前の目の前に居るじゃん』
俺の後ろで優しく微笑んだ徹くんが言う
むしろ優しい笑みがなんか怖い気もするけど
そこは置いておこう
「えっ、待って？この人Aさんやん」
『そうだよ』
「俺が会いに来たんはAであって…」
『だから目の前に居るじゃん』
脳内キャパオーバー
「つまりは…同一人物？」
『そういう事』
一人で慌ててる俺を見てAが笑う
未だに整理が追いつかない俺を、
『とりあえず入って』
「…お邪魔します」
部屋に入れる
徹くんはお茶を用意すると言ってキッチンに行った
「てか、何でこの前言ってくれんかったん！！」
部屋に入るなりAを指差す
『この前？』
「この前ご飯食べてんやん！え、言えよ！」
“だって全然気付かないんだもん、想太”
そう言って笑う君を見るとあの頃と全く変わってない
何で気づかへんかったんやろか
「元気やった？」
手を降ろして彼女の前に腰掛ける
“うん、相変わらず。想太は？”
「俺？俺も相変わらずやで」
『嘘つけ(笑)』
「徹くん！まぁ、色々変わりました」
“そっかそっか、でも変わってないよ想太は”
「Aは…変わったな 全体的に」
“え？何？可愛くなったって？笑”
「おん」
“えっ”『えっ』
「可愛なった、ホンマに」
“ねぇ想太？頭打った？”
「打ってへんわ！たまには褒めるわ！笑」
“もー、ビックリするじゃん！”
あれから時が経った筈やのに
不思議と時間が巻き戻されたみたいで
あの時に閉まったはずの感情が再び
芽を出し始めた
そしてこの時の俺らを
徹くんが不安そうに見つめていたことすらも
この時の俺は知る由もなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬の妹(プロフ) - むっちゃ好きだわ… 愛は歪んでるけどそこもまたいい…！ もう更新されないかもですが更新楽しみにしてます (11月19日 18時) (
レス) @page26 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - part1の方から見させていただきました。途中から切なすぎて泣きそうになりました。続きが気になります！更新頑張ってください！ (2018年7月30日 7時) (レス) id: 10f5d98055 (このIDを非表示/違反報告)
Ene(プロフ) - しほさん» しほさん、コメントありがとうございます。沢山更新できるように頑張りますので是非ご愛読よろしくお願いします。 (2018年7月13日 1時) (レス) id: 23e0781067 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 初めから見ててすごく面白いです!!続きすごく気になります！応援してます!! (2018年6月2日 23時) (レス) id: 800cd7fe9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ene | 作成日時：2018年5月10日 1時
