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突然な話になるが、私が住んでいるここは米花町と呼ばれる町だ。
なぜ急にこんな地元紹介のようなものを始めたのかと言えば、ここが稀に見る事件がバカみたいに多い町だからである。
控えめに言っても治安が悪いどころの話じゃない。ひたすら事件が蔓延る町だ。
有名な探偵がいる探偵事務所が構えられているくらいなのだからやはりそんじょそこらとは一味違うのだろう。
とりあえず米花町は事件が多いのだ。事件の内容は様々。これでもかというほど事件が起きる。
まあだから何だって、
「おいお前ら動くな!!」
まあ人生に1回は事件に巻き込まれるよねっていう。
突然社内に押し入ってきた二人の男は銃を構えていて、大人しくしていなければ撃つという脅しに逆らうものはいないまま、私を含む社員の人達は手足を縛られていた。
さながらサスペンスドラマで、現実味はない。
いつかは事件を目の当たりにしそうだと思っていたが……。
まあ腐っても米花町だからな。
大人しくしていれば殺されないかな……とタカをくくっていたのがいけなかったのか、「おい!そこの女!」と誰かが呼ばれた。
ああ、これは絶対人質にされるクチだな。可哀想に……と考えていれば、乱暴に腕を引かれる。
関節が抜けるんじゃないかと言うほどの痛み。いつの前にか銃を持った男が目の前に立っていた。
『え』
「お前だ!早く来い!」
嘘でしょ。確かに前列にいたけど。
ひゅっと喉がなる。侮りすぎていた。テレビの中の出来事だと、この町ではよくある事だと。
それでも今こいつらは人を殺せる。その覚悟もある。
私も___殺されるかもしれない。
いきなり不安と恐怖が襲ってきた。カタッと噛み合わなかった歯が当たって小さく音が出る。震えてるんだ、私。
「俺らはこのビルのお偉いさんに用があるんだよ!
俺はここの偉い金持ち子奴らに____」
男は大声でうちの社への恨みを語りを始める。こちとらお前らの都合なんか知らないっつーの。
そもそも偉い人たちに用があるなら私たち関係ないじゃん。そっちに勝手に復讐に行けよ。上の階にいるだろーが。
恐怖と、それよりも男たちの私的な恨みに巻き込まれることにイライラしてきた所で、男があらかた話し終わったのか狂気的に笑みを浮かべる。
「だからこのビルごと吹っ飛ばしてやるんだよ!これでなあ!」
男が広げたカバンの中に入っていたのは爆弾だった。血の気が引く。
コイツらの馬鹿みたいな復讐に巻き込まれるのか、私たち。
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✧︎ - 本当に好きすぎて一気読みしてしまいました…素敵な作品をありがとうございます!! (4月14日 1時) (レス) @page50 id: 28351a5556 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - あわさん» はわわわ神作?神作なんて言ってもらえるんですか……?すごく嬉しいです!私の文章力で松田陣平の素晴らしさを伝えきれているのか分かりませんが……笑 更新頑張らせていただきます💪 (2023年4月16日 18時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 素晴らしい…神作すぎる…更新待ってます! (2023年4月16日 8時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - ???さん» ひぇぇ好きだなんて言って貰えるなんて……ありがたいです!続き書きます!そちらこそ体調に気をつけてくださいね(*´﹀`*) (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - アリアさん» 本当ですか!?そう言ってもらえるなら喜んで続きを書かせていただきます(^ - ^ )コメントありがとうございます! (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年2月22日 17時