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結局あの後萩原くんの要求を呑み、指定されたのは次の日の夜。旧友とご飯とはいえ一応外出だ。そこそこオシャレをして、指定された店へと向かえば、やはりと言うべきか。
そこに居たのは松田くんだった。
回れ右をして帰ろうかと思ったが、運悪く携帯をさわっていた松田くんがひょいと視線を上げた。
サングラス越しに、松田くんとパチリと目が合う。そもそも裏があると分かっていながら了承したのは私だし、ここまできたなら観念するか、とそのまま松田くんに近付く。
『お疲れ様』
「は？なんでA……」
1つ誤算だったのは、松田くんが私がくると知らなかったことだ。呆気にとられたような松田くんの態度にすぐにそれを理解する。いや私も知らなかったけど。何となく予想はできた。
合コンの時の萩原くんはやたら私たちのことを揶揄おうとしていたし。
それでもどちらにも言わないなんてなんて卑怯なことか。口を引き攣らせながら、松田くんに萩原くんから言われた事柄を聞く。
どうやら一緒にご飯行こうと誘われたが、つい先程、急用が出来た。代理が行くからそこで待っていて欲しいと言われたらしい。
やりやがったよ萩原くん。完全にやりやがった。
ちょっと待っててね、と混乱する松田くんを置いて萩原くんに電話をかける。
3コール程してから、「はーい」という萩原くんの間の抜けた声が聞こえてきた。
『あのさ、こういうのやめて欲しいんだけど』
「んー？なんの事？」
『ぶん殴ろうかなぁ』
「そんな普通のトーンで怖いこと言う！？」
萩原くんのせいなんだけなあ、なんて事はさておき、私はちろりと松田くんの方に視線を向ける。松田くんもこっちを見ていたのか視線が絡んだので、片手を口元に持っていき、ごめんのポーズをとる。
松田くんが聞こえない距離まで離れ、少し声を小さくして話す。
『あのさ、私も松田くんももうそういうんじゃないんだよね』
こういう事をしてくるということは高校時代の私たちの見事なすれ違いを知っているということだろう。
松田くんから聞いたか、あらかた予想をつけたか。
しかし、こんなのいくら鈍くても分かる。
絶対くっつけようとしてる。正直言って余計なお世話だ。
割とマジメに言ったのに、電話越しに聞こえたのは緩い返しだった。
「え〜そうかな」
何だろう。松田くんといい萩原くんといい私を煽るのが好きなのだろうか。
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✧︎ - 本当に好きすぎて一気読みしてしまいました…素敵な作品をありがとうございます！！ (4月14日 1時) (
レス) @page50 id: 28351a5556 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - あわさん» はわわわ神作？神作なんて言ってもらえるんですか……？すごく嬉しいです！私の文章力で松田陣平の素晴らしさを伝えきれているのか分かりませんが……笑 更新頑張らせていただきます💪 (2023年4月16日 18時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 素晴らしい…神作すぎる…更新待ってます！ (2023年4月16日 8時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - ？？？さん» ひぇぇ好きだなんて言って貰えるなんて……ありがたいです！続き書きます！そちらこそ体調に気をつけてくださいね(*´﹀`*) (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - アリアさん» 本当ですか！？そう言ってもらえるなら喜んで続きを書かせていただきます(^ - ^ )コメントありがとうございます！ (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ | 作成日時：2023年2月22日 17時
