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出会い編 《 二 》 ページ3

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「お客さん、うちに自 殺本ありますよ」


「本当かい?!」




そう言えば目をキラキラさせて此方に近付いてくるお客さん。

よく見れば手や首、至る所に包帯が覗いている。




「……自 殺、何回も試して、失敗して。苦しくないんですか」


「…え?」



気づいたら、そんな事を口走っていた。



「あああ御免なさい!忘れてくだ」

「……そうだね。確かに、辛いかもしれない」



え…?と思って彼の目線に合わせて見れば、そこには儚く笑う彼がいた。


ああ .. きっと彼は苦しいんだろうな。


私には彼のことを何も知らないし、薄っぺらな同情しか出来ないけど。



「…貴方が何故そこまで自 殺願望があるのか私にはわかりません。
でも、一つ、これだけは言える。

貴方を必要としてくれる人がいる限り
生きて。




なんて綺麗事。

お客さんも呆れてるかなって自嘲気味になりながらも見てみればお客さんは、ほんのり顔を赤く染めてぽかーんとしていた。




「…あの、なにかしら反応してもらわないと恥ずかしいっていうか……」


「ああ、すみません、今日はもう帰ります」




結局お客さんは自 殺本を買わずに覚束無い足でふらふら歩きながら玄関まで歩いていった。


危ないなー…と思いながらお見送りの為に待っていたらお客さんが何かを思い出した様に慌てて振り返る。





「お姉さんのお名前を教えて頂けませんか!」


「えっ..と。A、ですけど」




いきなりの質問に動揺しながらもなんとか答える。



「Aさん、か。素敵な名前ですね

それと私は太宰です 太宰治。

それでは また来ますね、Aさん!」








そのお客さんは今日一綺麗な笑顔だった。






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Ratte*らて(プロフ) - ごめんなさい〜( ; ; )!誤字でした。即直しましたのでご確認お願いします((。´・ω・)。´_ _)) (2019年1月23日 23時) (レス) id: 1d7a6576dd (このIDを非表示/違反報告)
藤花 - Ratte*らてさん» 分かりました!更新頑張って下さい (2019年1月22日 7時) (レス) id: e5cdf08e96 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 「探偵社≪二≫」の二行目と、「探偵社≪三≫」の六行目、十六行目、十九行目の太宰さんが、「大宰さん」になってますよ。(間違っていたらすみません) (2019年1月21日 23時) (レス) id: fab1d5b1bf (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 藤花さん» 読んで頂き有難う御座います!! 申し訳御座いませんリクエストは募集しておりません…(;_;)!お力になれず申し訳ないです。 (2019年1月21日 22時) (レス) id: 1d7a6576dd (このIDを非表示/違反報告)
藤花 - とても面白いです!リクエストして大丈夫ですか?知っているアニメ教えて下さい! (2019年1月21日 15時) (レス) id: 200719e148 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ratte* | 作成日時:2018年12月30日 23時

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