心中前提で結婚してください【 太宰治 】

気づいてよ《 一 》 ページ16

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「こんにちわっ！誰か居ませんか？」




太宰さんが帰った後に聞こえてきたのは、何時もと違う声。

声のトーンが程よく高くて女の子らしい声だった。




「こんにちは。どうしましたか？」



その子の服装は都会風で、顔は可愛く凛とし清楚に見える。


まつげが長くて真っ白な肌にピンク色の唇が印象的な大人系の美しい女性。





「嗚呼、よかった。ちゃんと人いた…」



" 居なかったらどうしようかと思いましたよ〜 "


と言って和かに笑う目の前の女性は、女の私でも見惚れてしまうくらい綺麗。


とても可愛くてじーっと見つめてたら、目の前の女性は困った様に笑ってしまったので、あわあわしながら要件を聞く。




「あああああ すみません！
それで…そのご用件は何で御座いましょうか！」



日本語がおかしくなってしまったけどこの際もうどうでもいいや。



「ふふ、実は とある人を探していまして…」

「え、と、人探しですか…」



町外れにあるだけあって人に会う機会が少ない私は、知り合いも少なく思わず自信が無くなってしまう。


そんな私の私情を知らない目の前の彼女は、自分のコートから一枚の写真を取り出せばぐいぐいと押し付けてくる



「この人を探しているのですが…」

「ほうほう。」


目の前の女の子から受け取った写真をまじまじと見て目を見開く。





「……って、これ太宰さんじゃん」







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