心中前提で結婚してください【 太宰治 】

探偵社《 三 》 ページ14

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乱歩さんと話した後は社員のチクチクした目線が殆ど無くなっていた。

それに感謝しながらうち(図書館)から持ってきていた本を読む。



「というか太宰さん遅すぎですよ…」


「呼んだかい？」


「うわあああ！！」



今日は、よく叫ぶな…と思いながら太宰さんをキッと睨む。





「え…なんで私睨まれてるの」


「遅すぎです。何してたんですか」


「いやね、前々からあげようと思って居たのだけど...渡しそびれちゃってAさんに、これをあげようかと！」




ご機嫌にそう言って私の目の前に置いたのはキーホルダー。

うさぎの様なキャラクターに、きらきらな鈴が付いて可愛らしい。




「可愛い…、こんな可愛いの私に渡して良いんですか ..？」


「うん。というか逆にAさん以外にあげないよ、それにね？」


「それに…？」



わくわくしていれば、太宰さんのコートのポケットからクマのキャラクターの色違いの鈴が付いているキーホルダーが取り出されて居た。







「みてくれ給え。ほらAさんとお揃い！」


うふふ、と楽しそうに笑う太宰さんに無駄にドキドキしてしまう。


私らしく無いなぁ…なんて思いながら、その言葉にただ俯くしかなかった。








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