心中前提で結婚してください【 太宰治 】

出会い編《 一 》 ページ2

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街の外れにある小さな古本屋で私はひっそりと働き暮らしている。


前までは此処で働いてくれていた子もいたんだけど、やめてしまったのだ


別に今の生活に満足してないわけじゃない

でもやっぱり寂しいわけで。




「…最近じゃお客さんも来ないし」


机に頭を突っ伏して大きな溜息を吐く。



「 _お___さん」




「やっぱ外見が地味なのかなぁ…」



割とレトロで好きなんだけど ..






「お姉さん！」


「ひゃい！」




急に呼ばれ思わず驚く。

もしかしてお客さん…？




「……あの今の、聞いてましたか」

「うふふ、可愛かったですよ」

「忘れて下さい…」



申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちでいっぱいになり必死に話をそらす。



「えっと……どうしましたか？」

「実は自 殺本を探していまして。」

「じさっ？！」




私が徐(おもむろ)に驚けば、目の前の彼はクスクスと楽しそうに笑う。


こんなに綺麗に笑える人が自 殺願望を持っているなんて考えられないな…




「そうですか？」


「うわぁああ！？
もしかして…声に出てました？」



そう聞けばふふっと笑って頷かれた。


恥ずかしい…








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