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弐話 ページ2

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沢山の炭を抱えて家に帰った。

長女の私だけでも、なるべく多くの仕事をして母さんの負担を少しでも減らせればいいな、なんて思いながら。


葵枝「A、顔が真っ黒じゃないの。こっちにおいで」


私を見かけると母さんは、元から準備してくれていたであろう暖かいタオルで顔を拭いてくれた。ありがとう、とお礼を言うと母さんは眉を少しだけ下げながら申し訳なさそうな顔をした。


葵枝「雪が降って危ないから行かなくてもいいんだよ」

何か何かと思っていたら私の身の心配までしてくれた。本当に優しくてどこまでも温かい親の元で育ったなと、今更ながらに実感する。


A「うん、でも正月になったら、みんなに鱈腹 食べさせてあげたいから少しだけでも働くよ」

葵枝「…… 。ありがとう」


安堵するような、そんな優しい眼差し。母さんのこの綺麗な瞳が私は何よりも大好きだった。


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作者名:Ratte*らて | 作成日時:2019年8月16日 11時

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