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壱話 ページ1

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────何故、何故こうなったのか。


私の目の前には酷く血を流しながら倒れている家族の姿があった。
瞳孔は開きふっくらしていた唇は乾いていて、口から腹から肩からさまざまな所から血を流していた。

それらが自分の家族であることを理解するのには時間がかかった。世界で一番大切な私の家族だとは、思いたくなかったからだ。

けれど現実とは非道なもので、その顔や服装や昨日までのほんのりと香る家族の匂いで、それが現実だと思い知らされた。

その事実を知ってしまう恐ろしさと見覚えのない既視感から身体が急激に震え出し、むせ返るような血の匂いに思わず口を抑える。

どうしようもないその現場にその場に座る事しか出来ない私と、目の前に横たわり息絶えている家族。

まるで胃の中を誰かに弄られて居るような感覚になり、吐き気が止まらない。どうして、どうしてどうしてどうして。私が居ない間にこの山で何があった…?


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弐話→



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作者名:Ratte*らて | 作成日時:2019年8月16日 11時

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