カフェの店員さん (ページ4)

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4.1番客ページ4

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昨日の夜、考え事をしていたせいで
いつもより課題がたまってしまったので

いつもより少し早く、開店時間ににカフェに訪れた。

何気、この時間に来るのは初めてかもしれない。

そんなことを思いながら到着すると
カフェの玄関をほうきを使って掃除をする人影が。

「おはようございます。今日は早いですね」

『お、おはようございます。』

「どうぞ。いつものでいいですか？」

『あ、はい。お願いします。』

やはり少しカタコトな韓国語で話しかけてくれて
まだ店にも入っていないのに注文が終わったようだ

はい、とドアを開けてくれた店員さんが
私の方を見ながら、私が店に入るのを待つ。

『し、失礼します』

手が私の頭のすぐ横にあり、
過去一で近距離を通ることになった。

フワッと優しく柔軟剤の香りが漂う。
チラッと上を見ると、メガネ越しに目が合ってしまい、思わず早歩きでいつもの席へと向かった。

店内はまだ誰もいない、私と店員さんだけの空間。

こんなのは初めてだ
心の準備もできていないのに…。

いつもは他の客の話し声で聞こえなかった、
ホットサンドを作るときの袋の音などが近くに感じる。

「いつも、｣

『はい？！』

「ハハハ、いつも来てくださりますよね」

『…はい。』

「本のセンス、いいですね」

『え？本ですか？』

「たまに読んでますよね、本。僕も好きです」

『ああ…本……』

私は赤らめた頬を隠すかのように下を向いてパソコンを触る。

話してしまった、彼と。

本が好きなんだ

「お待たせ致しました、モーニングセットのミルクティーです」

『え？』

いつも、他のお客さんを気遣って黙って置いてくれるミルクティー。

今日は客が私だけだからなのか、
少しイタズラな笑顔を浮かべながらお皿を置いてくれた

『いつもありがとうございます』

「いえいえ、コーヒーを最初に飲んだときすごい顔してましたよ、こんな感じで」

店員さんは口をすぼめ、こんな感じ！と繰り返して見せた。

『あはは、そんな顔でしたか？』

「はい、こーんなに口が小さくなってましたよ」

一年以上前のことを覚えられていたんだ
意外と大きく笑うんだ
意外とお喋りさんなんだ

初めて見る店員さんの一面

少し知ったらもっと欲張りになりそうで

彼女がいるかいないかも分からない貴方を
もっと好きになってしまいそうで

怖かったけど

それよりも

もっと貴方を知りたいと思った。