カフェの店員さん (ページ3)

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3.彼女？ページ3

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二限が終わるチャイムが鳴るとすぐ
ハンビンの周りには色んな女の子の姿が。

女の子たちの「何この女？」という目線が突き刺さるのでそそくさと退散しようとする私。

「帰るの？」

ハンビンはちょっと目を見開いて驚いたように言う

『ううん、友達とご飯食べるから』

私が返事をすると周りの女の子たちは当然でしょと言わんばかりの顔でハンビンの腕を引っ張り消えていった。

ハンビンは少し困ったように眉毛を垂らして笑っていた

優しいしそりゃモテるよねハンビンは。

そんな女の子たちとハンビンの背中を見送り
私には程遠い世界だなと思う。

好きな人がいて、あんな風にアタックできて

その勇気さえあれば私も店員さんと…

いや、何考えてんだ私。

店員さんからしたら私はただの常連客だから…。

「で、俺のとこに逃げてきたの？」

『ぅー、オッパは冷たいな。俺のとこというかここただの部室じゃん笑』

「…うるさい」

カフェの店員さんとちがって、インスタントのコーヒーを
ズズズズーと大袈裟な音を立てて吸うこの人は

私のサークルの先輩、キムジウン。
イケメンだけど、なんか不憫。

『オッパは暇でしょ、卒業できんの？』

ジウン「お前ってやつは、卒論必死で書いてる人の横で言うなよ〜笑笑」

朝は必ずカフェから登校するし
何故か授業中はハンビンが引っ付いてくるし
授業が終わると即帰宅してバイトに行くわたしは
女の子の友達があまり居ない。

だからこうしてジウンオッパのところで暇つぶしをする。

ジウンオッパは、私の気持ちを直ぐに理解してくれる

店員さんのことが好きなんだよそれは

と教えてくれたのも気づかせてくれたのもオッパ。

ジウン「このままでいいの？」

『よくないけど、いいの。ただ顔見るだけで幸せだし』

ジウン「てかそもそも！その店員に彼女いたらどうするわけ？見るだけでも許されないかもじゃん」

『……それ考えたことなかったかも』

彼女…。

そんなこと考えたこともなかった。
もし彼女がいたら私はカフェに通って
勝手に店員さんを見つめることすらも出来ない…？

その日、帰りながらずっと

名前も知らない、片思いのあの人のことを思いながら電車に揺られた。

夢にも出てきて、ちょっとだけ泣いた。

高望みはしないけどそれでもやっぱり

このままじゃ嫌だという気持ちがあるのかもしれない。

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