カフェの店員さん (ページ2)

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2.気になるページ2

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私と店員さんの間に会話は少ない。

必要最低限の挨拶と注文だけ。

だって顔、直視できないし…。

時計を見るともう8時45分、そろそろ出ようかなと思っていると私のスマホが鳴った。

『もしもし？ハンビン？』

「もしもしー、A何してんの？」

『何って、もうすぐ学校行こうかなと』

「一緒に行こうよ！またあのカフェ？」

『あ、うんそうだけど。どこにいるの？』

「もうつくー！」

あ、カフェで1人なのに電話してたら
店員さんに変な目で見られてないかな？と
少し不安になっていたところで、

もう着く、と告げられて電話を切られる
ドアからソンハンビンが入ってきた。

『なにしてるの笑』

「えーい、待ってたくせに」

『待ってないです』

はいはい、行くよ！あーもう片付けしてよ〜とブツブツ言いながら私のノートパソコンを私のカバンにしまうハンビンはやっぱり面倒見がいいと思う。

私の数少ない友達、ソンハンビン。

『ご馳走様でした、美味しかったです』
といつも通りに挨拶をする。

いつもなら「良かったです、お気をつけて」
と優しい少しカタコトな決まり文句が帰ってくるが

今日はいつもより温かみのない声で

「ありがとうございました」と返されてしまった。

それだけで私の心はずぶ濡れなのに
隣のソンハンビンは呑気に今日の授業を確認している

『はあ、私がこんなにも憂鬱だっていうのにさ〜』

「なんだよー」

『モテ男くんは呑気でいいですね〜』

まだ少し時間があったので運動がてらに隣の駅の大学まで歩くことにしたが、ハンビンの足が止まった。

「あいつ？Aがゾッコンになってるとかいうの」

『…どこ情報？』

「ん？内緒〜」

可愛い顔をしてるくせになにか裏のありそうな笑顔でふざけるハンビンは少し怖い。

ハンビンはこの大学の有名人だ。

the陽キャだし、この前なんて1年生のくせに
学祭のサークル発表でセンターで躍り、

女子からはキャーキャー言われていたわけで。

『人の恋愛気にしてる暇あったらなんでモテてるくせに彼女できないのか、考えてみたらどうですかー？』

ふん！と私の中で精いっぱいの文句を言い放ち
立ち止まったハンビンを置いていく。

彼女が出来ないことが悩みというのは本当らしく
効果は絶大だったみたい。

スッキリした私にはハンビンが

「答えなんて出てるんだけど…」と呟いた声は
届いていなかった。