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プロローグ ページ1
暗く、やけに音が反響するなかで、唐突に全身に冷水を浴びせられた。
否、強い冷風に煽られたのだ。
よく吹き飛ばされなかったと自身に感心してしまう。
ここはどこだろう。
ひんやりした空気、髪の毛の濡れる感覚。
地面が硬く霧で覆われる以外何も分からない。
記憶をいくら掘り返してみても、こんな場所は知らないし、僕は何故か見慣れない黒髪の少女の手を引いている。
だが、顔は見えないが切羽詰まった苦しそうな表情をしているということは小さな手の震えから感じることが出来る。
怯えた少女を前にして普段ならば焦る状況にも関わらず、ここまでずっと冷静なことがとても妙に感じられた。
なんだか自分が頼りになる人材なのではないかと勘違いしそうになる。
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作者名:奏 | 作成日時:2019年5月19日 18時